シェアハウス・・?始めちゃいました
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なんで2人ともコッチ見てるのっ・・!
盗み見ようとしていた自分が恥ずかしいじゃんっ
【ホントのキモチと見透かされたカラダ】
『明日休みだし映画でも見る?』
晩ご飯を食べ終え、影山くんが片付けをしてくれた後、私は鞄の中を漁った
「いいよ、借りてきたの?」
『うん、今日寄って帰ったんだ』
「なんの映画だ?」
『ふっふっふ、ホラーだよ』
鞄からDVDをゆっくりと出して顔の前に掲げる
「ホラーが好きとか意外だよね」
「怖くねぇのか」
『うん、ドキドキするけど、最後スカッとするホラーは好き』
「ふーん・・・、少しぐらいは怖がれば面白いのに」
『ん?』
「いや、デッキに入れるよ」
「・・・最後がスカッとするホラーとかあんのか?」
少し眉根を寄せて影山くんが疑いの目で聞いてきた
『あるよ〜、まぁ見てみてよ』
ソファの端っこに月島くんが座ってその隣りに私が座った
そして影山くんがお酒を持って来てくれて、ソファの下、私の足元に座り、いよいよ映画が始まるーー
映像の不気味さ
登場人物の何かがおかしい感じ
お決まりのくるぞくるぞ感
お決まりの、気配を感じて振り向いても誰も居なくて・・・からの振り返った先に現れるソレ
分かっているのに効果音に釣られて少し身体がビクッとする
私の足元に居る影山くんも反射的に身体が揺れたように見えた
・・影山くんもたぶん怖いんじゃなくて、音にビックリしてるんだろうな
そんなことを思っていると
あっ、ちょっとアレなシーンだ・・・
邦画の方ではあまり見ないけど、洋画のホラーは絶対こう言うの入ってるんだよなぁ・・・
主人公の友だちとその彼女がイチャつき始めて、突然のベッドシーン
なんでこんな状況で、こんなことし始めるんだろ
ひとりで見てる時には気にならないのに
そ、そわそわする・・・
こう言う時ってどんな顔して見たらいいんだろ
激しくキスを繰り返しながら、お互いの服を脱がしていくふたりに居た堪れなくなって
ふたりは・・・どんな顔してるんだろうか
チラッと窺うように横目で2人を見ようと思ったら
『ーー!!』
バチっと視線が合った
思わず少しのけぞって
『なっ・・なな、なんでコッチを見てるのっ!?』
「名前がどんな顔して見てるのかなぁって、チョット気になったから」
「お前はこう言うの平気なのかなって」
何それっ!な、なんか見透かされてるっ・・!
てか、めっちゃ恥ずかしい・・!
『ーーそ、そんなこと言って、ふたりだって、そう言う邪な目で見てたんでしょ映画!」
「いや、全然」
「・・そうだね、これぐらいじゃなんとも」
『こっ!これぐらいって・・・!』
しれっとテレビ画面に視線をやって、まぐわいあう男女を見る月島くんと影山くん
こ、こんなもんじゃ、興奮なんてしないとなっ・・!
私にとっては結構、刺激的な映像なんですけどっ
『へっ、へぇー・・・普段はさぞかし、もっと過激なモノをご覧になってるんでしょうねー』
止めておけばいいのに、そのふたりの態度に、しょうもないことを言ってしまった
「・・・まぁ、男だし、それぐらいはね」
「あんま興味はねぇけど、見せられたりとか何回かはな」
『ふ、ふーん・・!』
べ、別に聞きたかったワケじゃないんだけどな・・!
「過激なのかどうかは、人それぞれだと思うケド」
スンっ、と鼻でため息をつく月島くんが大人に見える
いや、大人なんだけど
って言うか、やっぱり男性はそう言うのを見るものなのか
あの月島くんも 影山くんも・・
そんな事を思ったら急に恥ずかしくなって、変な汗をかきだした
「・・・女の人はさ、見たりしないの?」
『みっ・・!』
突然の質問に声が裏返る
な、何を聞くんだ月島くんっ・・!
『そ、そんな・・見ないよっ!』
「見ねぇのか?」
影山くんが追い討ちをかけてくる
「名前は?見たくねぇの?」
『へっ・・!?な、なんで私!?』
だからっ!そんなマジメな顔でなんつーことを・・!!
「・・・どうして?怖い?」
『えっ・・』
ソファに預けていた身体をムクッと起こして、月島くんは妖しい瞳で聞いてくる
「そう言うヤラシイDVD見て、興奮するかもしれないの、名前は怖い?」
『ヤ、ヤラシイって・・!』
「お前は・・・興奮すると、どうなるんだろうな」
影山くんもいつの間にか、私の退路を断つかのように身を乗り出して、ソファに片肘を立ててコチラを見上げている
普段と違う、影山くんの上目遣いに、なんだか・・・変な感じがする
『そ、そんなっ・・・』
す、すわってる!ふたりの目が据わってるっっ!
あんたら変態オヤジかっ!
ふたりの熱っぽい視線に
服を着ているはずの自分の身体が
何故か見透かされているようで・・・
身体を隠すように、ギュッと胸元を掴み、思わず顔を逸らした
そうだ
ふたりは男の人なんだ
当たり前のことなのに
わかってたはずなのに・・
なんで今更っ・・・
その事実に火が出そうなくらい顔が熱くなる
ヤダっ・・・なんで・・恥ずかしいよ・・
テレビからは女の人の悲鳴が聞こえてくる
でも今はそんなの気にならないくらい、焦って、どうしたらいいのかわからない
「・・・DVD」
『えっ?』
「その過激なDVDの再現、してあげよっか」
ニコッといつもの月島くんなら、しない笑い方をする
そ、それって・・・
「意味、わかるよね」
にじり寄って来る彼から逃れようと、少し後ずさりしたけど
トンっと肩に何かが当たって
『あ・・』
気づくのが早いか、その後ろの人物にこの前の様に首筋で息を吸われる
『か、影山くんっ・・』
スゥ、とまた鼻で息を吸い込まれて、匂いをかがれていることに気づいたけど、もう遅い
ビクッと身体が揺れる
「なぁ、お前・・・すげぇ、エロいニオイするぞ」
『へっ?そ、そんな・・!まっ!』
制止の言葉なんて聞いてくれるはずもない影山くんは、今度は耳元の匂いをかいだ
『ーーんっ・・!』
背中がゾクゾク 粟立つ
「・・・名前、こう言うの弱ぇな」
ーーっ耳元で、喋らないでよっ・・!
必死にこの感覚から耐えていた私の腕を、不意に引き寄せられ、今度は月島くんの胸の中に収まった
「はい、残念。次は僕と遊ぶ番」
あ、遊ぶってなに・・!
折角ゾクゾクから逃れたのに、次は月島くんに何をされるんだろう・・
半分涙目になりながら、月島くんを見上げると
「僕にも匂い、かがせて」
ギュッ!と力強く抱き締められ、首元に顔を埋められる
思いっきり空気を吸い込まれ、くすぐったいはずなんだけど、それよりも
『ーーっは、うぅ・・!つき、し、まっ!』
く、くるしいっ・・!息ができな、い!!
呼吸が出来ない程、強く抱きしめられて、意識が遠のく
「・・・いいニオイ」
あー・・ダメだ、ヤバい・・
そう思ってたら、フッと月島くんの全身の力が抜けて解放された
『ハァー・・ハァー・・』
ほ、本当に死ぬかと思った・・
肩で息をして、私の息の根を止めようとした彼を見ると
『つ、月島くん・・?』
月島くんはソファの端に倒れて・・・
『ね、寝てる・・』
スースーと寝息を立てるその顔は珍しく赤くなっていた
『・・・あ!影山くんっ』
そう言えば、ともう一人の彼の方へ振り向くと、そこでも同じように口を開けて寝息を立てる影山くんが居た
呆気にとられた私はふと、テーブルにあるお酒に目が行って
月島くんと影山くんが呑んでいたお酒の缶を手に取り見ると・・・
『アルコール度数高っ!』
たぶんふたりが普段呑んでいるのより、結構高い
なんでこんな高いのがあるのか考えていたら
『あ!この前時間がない時に、急いで買い物したから間違えたんだ・・』
キョロキョロとふたりを交互に見て、拍子抜けしたようにため息をつき、苦笑いした
もう・・ふたりとも、酔ってたから変なこと言ってたんだ
なんか、ひとりで慌てて期待して・・ドギマギして損しちゃった・・
・・・ん?
心の中で呟いたセリフに、自分で驚く
ーーき、期待してた?
違う、違う!
う、ウソだよ
そんなこと・・・
スヤスヤと気持ち良さそうに眠るふたりを見て、自分の気持ちがウソじゃないことに、気づいてしまう
そっと片手で月島くんと影山くんの手をそれぞれ握った
・・・私も酔ってるんだな
目を閉じて温もりを噛みしめる
でも・・まだ・・このままで居させて
だって・・・
『とっても幸せ、なんだよ・・』
寝ているふたりにそっと呟いた