シェアハウス・・?始めちゃいました
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「はい、これ名前のお茶碗ね」
「おう」
月島くんが影山くんにご飯をよそうように言って、せっせとお茶碗にご飯を入れているのを、私はひとり、イスに座って眺めていた
【お腹もキモチもいっぱい】
気まずい・・・私も手伝うのに
ソワソワして落ち着かない
それでも月島くんは
「仕事して帰ってきたんだから、今日は家に居た僕らに任せてよ」
と言ってキッチンに入れてもらえなかった
んー、座ってる方が落ち着かないんだけどなぁ・・
そんなことを思っていたら
「ちょっと!」
月島くんの少し怒った声が聞こえて、顔を上げた
「そんな昔ばなし盛りにして、誰が食べるの!?」
「あ?普通だろ?こんくらい」
「それはキミだけデショ!名前も僕もそんなに食べないから!」
影山くんが持っている私のお茶碗には山盛りの・・いや、もうどうやって盛ったんだろうと思うくらいの、ご飯がてんこ盛りによそっていて
「キミのものさしで、僕たちを計らないでよ」
そう言って月島くんはご飯を炊飯器の中に戻した
「はい!」
普通に盛られたお茶碗を差し出され、影山くんは難しい顔をしている
「なに?」
「・・・足りねぇだろ」
「いや、足りるから」
「名前っ」
『は、はい!』
「これで足りんのか?」
『うん、充分です』
私の返事に少しショックを受けたように、目を見開いて、信じられない様子でお茶碗を見た
『あ、影山くんはいっぱい食べてね!私の分まで』
取り繕うように言う私に
「変な気、使わないでいいよ。食べよう」
お茶碗を持って月島くんがテーブルに着くと、影山くんもてんこ盛りの自分のお茶碗を持ってイスに座った
「じゃあ・・・「『いただきます」」』
3人で手を合わせて、食事を始める
美味しそう・・
テーブルに普通に並べてある料理に、やっぱり月島くんはスゴい人なんだなぁと思う
頭が良くて、なんでもこなせて
良いパパさんになりそうだなぁ・・と
お味噌汁を啜りながら、チラッと月島くんを見た
「なに?」
私の視線に気付いた月島くんが不思議そうに聞いてくる
『あ、いやなんでも・・』
「味噌汁薄かった?」
『う、ううん!そんな事ない!とっても美味しいよ、ありがとう月島くん』
「そ、良かった」
安心するように笑う月島くんのその表情に、せっかく美味しい料理の味が・・・わからなくなりそうなぐらいドキドキする
『そう言えば今日は何してたの?』
「僕は買い出しと夕ご飯の準備」
『影山くんは?』
「オレは部屋の片付けと掃除」
なるほど
だから部屋がピカピカになってたんだ
『影山くんってそう言うの得意だよね!テレビ台の中とかホントキレイになってるし。スゴいなぁ、尊敬するよ』
「いつ気付いたんだ?」
モグモグと動かしていた口を止め、驚いたように聞いてくる影山くん
『だって私も掃除しないとなぁ、って思ってたとこだったから』
結局、思っただけで終わっちゃったけどね、と後ろ頭に手をやり、苦笑いした
「・・・そんなこと気にすんな、オレの出来ることしたまでだし」
『うん、ありがとう、助かります』
「意外だよね、王様が掃除片付け得意とか。普通召使いの仕事なのにね」
ククッと笑う月島くんに影山くんは少し睨んだ
「うっせー月島、お前の肉よこせ!」
「殆どの肉料理食べてよく言えるね」
『月島くんのご飯美味しいもんね!バレーの為にもいっぱい食べて体力つけないとだし』
はい、私の分も食べて良いよ!と影山くんにお皿を渡す
「名前、王様に甘過ぎ。と言うか、キミこそもっと食べなよ」
「それはオレも思った。お前細すぎだろ、もっとちゃんと食え」
『え、いや、そんなことないよ!見えてないとこに結構お肉ついてるし・・』
自分のお腹を摩る
んー、お酒呑み出してからホントにお腹ヤバい
『いいなぁ、2人とも細くて・・』
「あのねぇ・・男と女じゃ体の作りが違うんだから、当たり前デショ」
「それ以上細くなると、抱き心地悪くなるから太れ」
『ーーっ!?』
影山くんのひと言に、ご飯が喉につっかえそうになる
「・・まぁ、それも一理あるね」
『な、なに言ってんのっ2人とも!』
「オレは太んねぇから食う」
ガタッとイスから立ち上がり、お茶碗を持ってキッチンへ行く影山くんに
「毎回言ってるケド、おかわりは三回までだからね!」
「うるせぇな、米はオレん家のなんだから食ってもいいだろ」
「放って置いたら、キミご飯しか食べなかったりするデショ!」
月島くんの言葉にムスッとしながらも、ご飯をよそう影山くん
なんだかんだ言いながら、月島くんも影山くんのこと心配してて
そして影山くんもちゃんと月島くんのキモチを分かって、言ってることを聞き入れてる
その様子になんだか、気持ちがホッコリして
「・・なんでそんなに嬉しそうなの?」
『えっ』
「なんか面白い事でもあったか?」
『・・・ううん、なんだか幸せだなって』
家族や友達と居る時とはまた違う幸福感
『月島くんと影山くんと一緒にご飯食べれて、私は幸せ者だね』
その幸福感に笑って思わず本音を零せば
「・・・コッチの方が贅沢デショ」
「名前は何も分かってねぇな」
『ん?』
(そう言う所が可愛いってこと、わかってない)
ふたりがそんなことを思ってるなんて、知らない私は、この時間を噛みしめていた
ああー・・・キモチまでお腹いっぱいだ