シェアハウス・・?始めちゃいました
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私には
『ただいま・・』
「おかえりー」
「ウス」
一緒に住む同居人がいる
【はじまりは ホントに突然】
リビングのドアを開けると
エプロン姿の月島くんとジャージ姿の影山くんが
出迎えてくれた
その姿に一瞬固まる
「どうかしたか?」
影山くんが不思議そうに聞いてくる
『あ、いやぁ・・まだ、慣れないなぁと思って』
「いい加減慣れなよ」
呆れた様に笑う月島くん
「早く部屋着に着替えて来たら?ご飯出来るよ」
『あ、うん』
「今日のメシなんだ?」
「メインは魚だけど、影山はドッグフードでいいデショ?」
「あ?ふざけんな、肉はねぇのかよ」
「いや、ドッグフードには何も言わないの・・。肉料理もちゃんとあるよ」
いつまでボーッとしてるの?と2人のやり取りを聞いていた私に再び声をかけてくれる月島くん
「あ、ゴメン・・!着替えてくる』
そそくさと自分の部屋へ入った
バタンと閉めた扉を背にズルズルと床にへたり込み
両手を頬に当てる
や、やっぱりこんなの、色々な意味でもたないよぉー・・!
***
ことの始まりは影山くんの何気ないひと言
「・・やっぱずっと一緒にいるっつーのは難しいよな」
私の短大卒業祝いと称して、居酒屋で月島くんと3人で呑んでいる時だった
「それってどう言う意味?」
「そのままの意味だ。名前と一緒に居る時間がスゲェ短ぇ」
唇を尖らせて率直に思ったままを零す彼を、変わらないなぁ、と思わず微笑ましく思った
『それは仕方ないよー、影山くんもバレーで忙しいし月島くんもまだ大学があるもんね』
「・・わかってる。けどバレーも大事だけど、お前と居る時間も大事にしてぇ」
ーー・・そ、そんな・・いつもマジメな顔してそんなこと言うんだから、、
影山くんの言葉に顔が熱くなったのは、お酒のせいだろうか・・
「・・なにお酒の勢いに任せて言いたい放題してるのさ」
「あ?別に酒のせいじゃねぇよ」
「キミはバレーの事だけ考えてた方がいいんじゃない?名前のことは僕に任せて」
「テメェこそ、おベンキョーは大丈夫なのかよ!よそ見してっと落第するぞ」
王様とは頭の構造が違うから、とビールを口に入れる月島くん
『ふ、ふたりとも・・ここの焼き鳥美味しいよ!』
ススっと2人の前に差し出す
「あざっす・・」
「どーも・・そう言えば、引越し先は決まったの?」
『それが・・悩んでて、まだ決まってないんだ』
大学を卒業して、無事就職先も決まったものの
いまだ住む場所は決まっていない
『初めて親元から離れて一人暮らししようと思うと、結構お金かかるんだね』
「だね、ホントそれは思うよ。僕も本当は家を出て一人暮らししてみたいんだけど、学生の身でアルバイトぐらいしか出来ないし」
家賃ひとりで払うとなるとキツいよね、と月島くんは焼き鳥を頬張った
『ホントに・・』
その様子を見て、苦笑いをしていると
「なら、一緒に住めば問題ねぇんじゃねーか」
唐突に放たれたその言葉に
月島くんと勢いよく影山くんを見てしまった
「・・あんだよっ」
私たちの視線に、影山くんは焼き鳥を口いっぱいに入れて少したじろいだ
「ひとりで住むのが難しいんなら、オレがお前と一緒に住んだら良い話しだろ」
当然のように言ってのけるが
いやいやいやいや・・・!
そんなこと無理に決まっているっ
『影山くん、それはあまりにも・・、』
「ふーん、なるほどね」
ん?
何故か納得するような月島くんの言葉に、今度はそっちを見た
『つ、月島くん?』
「王様にしては、いいこと言うじゃん」
「いや、お前には言ってねぇけど」
「影山が住むなら、僕も一緒に住むに決まってるデショ」
「あ?なんで決まってんだよ」
「キミ、家事出来ないデショ。名前に全てやらせるつもり?」
「・・・・・」
『あ、あのっ・・』
「それに、抜け駆けなんてさせないよ」
「・・・チッ、わかったよ。3人で住めばいいんだろ」
「そうだね、なら住む場所早めに探さないと・・」
『ちょっ・・!』
「3人で住むならプライベート空間が居るから、最低3部屋はいるね」
「オレは名前と一緒の部屋で良いぞ」
「バカなの?キミはいいけど、彼女は嫌デショ」
「何でだよっ」
『えっ・・ちょっと・・!』
「着替えとか、そもそもキミと一緒じゃ安心して寝れないじゃん、これだから単細胞は」
「別に、んなことオレは気にしねぇ」
「だから!王様は気にしなくても、名前は気にするって言ってんの!男と一緒にしないでよ」
「あ?名前は男じゃねーし」
「・・・王様と話ししてると、頭痛くなる」
『あのっっ!!!」
私の叫びに、やっとコッチを向いてくれた2人
「なに?どうしたの?」
「どした?そんな、大きい声出して」
『いや・・・2人ともなんか、私抜きでスゴい話してない?』
私の問いかけに2人して、首を傾げる
いや、なんでよっ
今話してたの、ありえない話でしょ!
わ、私が・・2人と一緒に住むなんて・・!
『む、無理だよ・・?一緒に住むなんて』
「別に無理じゃねーし、それに家帰ったらずっと一緒に居られるぞ」
「家事なら、一応僕はそれなりに出来るし。心配しなくても大丈夫だよ」
『いや、そう言う事じゃなくて・・!」
「何が不満なんだ」
えっ
不満・・?
いや、不満はないけど・・
不安は・・
大アリだ
『えーっと・・あ!お、親が何て言うかわかんないし』
「じゃあ、お前の姉ちゃんに連絡取ってやるよ」
『は・・!?へっ!?』
「この前教えてもらった連絡先?」
「おう、この前一緒に買い物行ってた時に会っただろ?そん時教えてもらった」
「僕も知ってるケド、今回は影山に任せるよ」
は!?は!?どう言うこと!?
確かに会ったけど!いつの間にお姉ちゃん、2人にアドレス教えてたの!?
『ちょ、ちょ、ちょっ・・待って!』
「お、もう返事返ってきたぞ」
ひと口餃子を口に入れながら、テーブルの上に影山くんがスマホを置く
そのディスプレイに映し出されていたLINEのトークには
"ウチの妹をよろしく〜、おふたりさん!"
"母には私から言っておくから!と言うかお母さん隣りに居るので聞いたら、良いじゃないって!なのでそっちで好きに進めちゃってくださーい(ハート)"
吹き出しに書かれた文字を見て
思わず
両手で顔を隠して絶望した
なんなんだ この親子・・!
「大丈夫だってよ」
「これで親公認だね」
絶望している私を余所に、2人はまたお酒をひと口呑んだ
「じゃあ明日休みで何もないなら、家探ししようか」
「オレも明日はもともと休みだから行ける」
名前は?と声を揃えて聞いてくる2人の表情は、嬉々としている
もうこんなの
諦める以外の選択肢が
浮かばない
『・・・・行きます』
「うしっ!」
「決まり」
こうして良くわからない内に、同居生活が不本意ながらスタートすることとなった
一体どうなるんだろう・・・
これからが不安でしかない
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