How-to 影山くん
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「苗字」
『なに?』
「名前、なんつーんだ」
『は?』
「だから名前」
『・・苗字、だよ』
「ちげぇ」
「下の名前」
影山くんの部活が終わるのを待って
一緒に下校する
でも本当にたまにだ
影山くんは部活が終わっても自主練をするらしく
大抵、遅くなるから先帰ってろ!と言われて
お付き合いを始めて1カ月になるけど
一緒に帰れるのは数えるぐらいしかない
そして今日はまさにその数える中のひとつ
久しぶりに一緒に帰れたなぁ
とぼんやり考えていたら
影山くんはまたそんなことを言い出した
影山くんが見つめてくる
私もホンキですか?と目で訴えてみた
まさかとは思ったけど
彼は私の名前をご存知なかったようで
『・・・あの、ひとつ聞いてもいいかな』
「なんだよ」
『私たち付き合ってどのくらい?』
「あ?そんなの・・覚えてねーよ」
フイッと視線をそらす
「つかそもそも、いつから付き合ってんのかも良くわかんねー」
わー・・マジかこのひと
唇を尖らせて言う影山くんに
間抜けな顔で笑ってしまった
『影山くんが告白してきたんでしょ』
「でもお前よくわかんねーって」
『いやまぁ、そう言ったけどあの後訂正したじゃん』
「・・・チッ」
あ、また舌打ちした
『自分の都合が悪くなると舌打ちするの止めてよね』
私の言葉に苦々しそうな顔をしている
「・・・お前はどうなんだよ」
『え?』
「お前こそ、俺の名前知ってんのかよ」
自分のことを棚に上げて
何をおっしゃる
『存じ上げておりますとも』
「ぞん・・?」
『もちろん知ってるって言ってるの』
自分の彼氏なんだから当たり前でしょー、と胸を張る
「・・ウソだな」
『は?』
「お前も本当は知らねぇけど、カッコがつかねーからそう言ってるだけだろ」
いや、なんの格好よ
フンっと言いたげに、上から視線だけをこちらに寄越す影山くん
『知ってます!』
「いや、知らねー」
『知ってるって・・!』
「じゃあ呼んでみろよ」
その挑発に
『とびお!』
思いっきり叫んだ
ハッと我に返った私は、口許を手で隠して小さく
・・くん
と付け足した
影山くんは驚いた表情の後
「くんはいらねぇ」
と勝ち誇ったかのように笑った
その顔に
なんか・・・
嵌められた感じがするのは気のせい?
「もう一回呼んでみろ」
足を止めて影山くんが強要してくる
真剣な眼差しで
「と、とびお?」
「何で疑問形なんだよ。もっとハッキリ、しっかり言えよ」
この体育会系が
そんなこと言われたらなんか気恥ずかしくなってきちゃうじゃん
一度深呼吸をして
ゆっくりと 彼の名前を呼んだ
『・・飛雄』
すると彼は満面の笑みで
「なんだよ、言えんじゃねーか名前」
私の名前を呼んだ
『知ってたんじゃん!』
「ああ?当たり前だろ」
『じゃあなんで聞いてきたのさ!』
「お前いつまで経っても影山呼びだったから、俺の名前知らねぇのかと思ったんだよ」
『何よそれ!そっちこそ私の名前呼んでくれても良かったじゃん』
「先に名前に呼んでもらいてーと思ったんだから仕方ねぇだろ」
『・・・そこで名前呼びズルイ!』
「は?」
『ぐぬぬ・・』
ワザとなのか天然なのか
私のカレは良くわからない
ムカつくけど
今日は完敗だ