秘密から始まる青い春
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危なかった
あともう少しで
彼女の唇に自分のソレを
重ねそうになった
彼女の慌てぶりと
耳たぶを触る仕草で
苗字がウソをついてるのはすぐに分かった
なんの考え事してるのか
そんなこと、わかるはずもないんだケド
ただ言えることは
僕と一緒にいるのに
彼女は他の誰かのことを考えていた
それが僕には許せなかった
考えるより先に
体が動いて
苗字の細い腕を掴み
壁に押し付けた
もちろん、痛くないように優しく
大きく見開いた瞳は長い前髪からもはみ出しそうなくらいで
小さな小動物みたい・・
ゆらっと自分の中で何かの炎が揺らめいた
このまま彼女の唇にキスでも落とそうか・・
そしたら苗字はどんな反応するだろう・・
自分の中の炎が勢いを増そうとするのを
目を瞑って、振り払った
『月島くん、送ってくれてありがとう』
「いいよ、これで貸しひとつね」
『自分で送ってくれるって言ったのに!』
ズルい!と頬を膨らませる彼女にこのまま返したくないな、とぼんやり考えた
帰り道
苗字は早々に僕から離れようとした
それを僕は引き止め、家まで送ると言い現在彼女の家の玄関先だ
『また、明日からよろしくね』
「こっちこそ。ちゃんと遅れずに来てよ」
『遅刻なんて今までしてないでしょ』
「そうだっけ?」
ムー・・とまたしかめっ面をする
その表情がオカシクて
「じゃあ、帰るよ」
『うん、気をつけてね』
返事の代りに片手を上げる
苗字はバイバイと手を振り玄関の扉を開け、そっと閉めた
最後まで見送った僕は、ここからは少し遠い自分の家に足を踏み出した