秘密から始まる青い春
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ソワソワしている影山がやたら目につく
バレーに集中しきれていない王様を見るのは真夏に雪を見るぐらい珍しい
でもまぁ・・その気持ち、分かるケドね
あの日、部活が終わった後、すぐに清水先輩に声をかけた
「・・わかった、武田先生には私から伝えておく」
「ありがとうございます」
少し嬉しそうに二つ返事で承諾してくれた
けど、フッと真面目な顔で僕を見つめてくる清水先輩に、なんですか?と声をかけると
「ううん、意外だなぁと思って」
「何がです?」
「月島が自分からヒトを紹介してくるなんて・・」
よっぽどその子の事、気にいってるんだね、とまさかの核心をつかれ、焦る
「・・あと、よろしくお願いします」
僕は逃げるようにその場を去った
そしてその時が訪れた
ヒョコっと顔を覗かして、こちらを窺う苗字
「おおーっ!」
黄色い・・イヤ野太い声が上がる
『お、お邪魔します!』
少し緊張した面持ちで中に入って来た
「じゃあみんな、少し集まって」
武田先生が、言うが早いか、もうほぼ全員集合していた
「えっと、新しくマネージャーとして入ってくれる予定の苗字さんです」
『あ、初めまして苗字 名前です!1年4組です!よろしくお願いします、今日はとりあえず見学させて頂きます!』
深々と頭を下げる苗字に
「「よろしくお願いしゃーっす」」
と返事をする
頭を上げると苗字と目が合った
ニコッと微笑みかけられ、不覚にもドキッとする
心臓に悪い・・
「じゃあ練習に戻ってください」と武田先生に言われ散り散りになる
口許が緩むのを抑えられない
部活に彼女が居ると思うだけで、自分でも少しテンションが上がるのがわかる
ツッキー、と山口に声をかけられた
「ホントに同じクラスの苗字さんだったね」
「そうだね」
オレ全然喋ったことないなぁー、と呟き
「でも何でいきなりバレー部のマネージャーなんてしようと思ったんだろ・・ツッキーなんか知ってる?」
「さぁ、バレーに興味あったんじゃない?」
とシラを切る
「・・ツッキーさ、苗字さんと知り合い?」
「はっ?」
思わず山口の方を見る
その顔は何故か真剣で
「・・・なんでそう思うの?」
「だってさ・・ツッキー、」
いつも苗字さんのこと見てるよね?
と、その目が笑ってないことに気付いた
「・・なんのこと?」
「えー、違うの?ただの思い過ごしかなぁ」
ヘラっと表情が変わったかと思えば
「・・ってことにしとくよ、ツッキー!」
にこやかに笑った
「ーー!やまっ、」
「おーい!試合形式で練習すんぞー!」
「あ、ハイ!」
大地さんの声に応えた山口がいつもと変わらない様子で去って行く
焦った
いつからそんな風に僕のことを見てたのか
つい苗字を目で追っていた自覚はあったけど、まさか山口に気付かれてたなんて・・
と言うか山口はもしかして全部わかってて僕に言ってきたのか
時折ああやって核心をついてくるところ、山口の良い所であり・・恐いとこでもある
チラッと苗字の方を見ると清水先輩と何か喋っていた
・・山口にはやっぱり言っておいた方がいいのだろうか
このどうしようもない胸の内を・・