秘密から始まる青い春
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いつか訪れる終わりを見据えて
僕はどうやったらこの先も彼女と一緒に居られるのか、ずっと考えていた
あの音楽室だけで会えていた特別感はどうしようもないとしても
先に、僕のものにしてしまおうか・・
なんて
そんな考えも過ぎるほど
だけど多分、彼女には僕にたいしてそこまでの感情
恐らくまだない
なら自分のそばに
手元に置いておきたくて
その結果が
部活のマネージャーだった
これなら心置きなく彼女と一緒に居られる
男だらけの中に入れるのは気分が良いものではないケド
人の目を気にすることなく話しもできるし
そしていずれは・・
まぁその前にめんどくさいヤツが居るケド
でも譲る気なんて、さらさらない
***
「おーい!影山ー!」
後ろで日向が呼んでいる
それをフル無視して部活に急ぐ
自分でも分かるくらい浮き足だっていた
だって今日は苗字が見学に来る日
いつも以上に早歩きになりながら向かう
「なんでそんな急いでんだよ!」
追い付いた日向が俺の前に回り込んできた
「うるせぇ!日向どけ!」
「なにぃー!オレも負けねーかんな!」
何故かムキになった日向と競うように体育館へ向かった
月島のマネージャーという言葉に
いきなり何を言い出すのかと思ったが
良く考えると、マジでいい提案だと思った
これだと毎日苗字と一緒にいられる
あわよくば、この前みたいに家に送ってったり
もっと手を繋いで歩いたり
もっと色んな苗字を見ることが出来る
認めたくはないが
月島のヤロウ、やっぱりほんのちょっとだけ頭がいい・・
この前のは許せねぇーけど
対して苗字の応えは
『えっ・・と、バレー部の、だよね』
耳たぶを触りながら視線を泳がせている
「イヤなのか?」
その様子に思わず口を開いた
『あ、イヤじゃないんだよ!違うよ!』
必死に弁解をする苗字に
「なら決まりってことで、イイ?」
月島がニコッと苗字に笑いかけた
その顔には拒否は認めないと書いてある
『あ、はっ、はい・・!』
その空気を悟ったのか、ついに苗字はYESを口にした
「じゃあまずは見学においでよ」
同じマネージャーの清水先輩には言っておくから、と踵を返し
「じゃあまた、今度は向こうで」
と、来た道を進む
俺はもう一度苗字の顔を見て
「絶対に来いよ」
と念を押す
するとブフッと笑い声がした
「まるで強迫だね」
顔だけこっちに寄越した月島がバカにしたように笑う
「ー・・うるせぇ!」
じゃあな苗字!と声をかけまだニヤついている月島を追い越した
でもそんな俺も
これからのことを考えると自然に口許が緩んだ