ハンター試験編
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人間に化けたキリコに導かれるまま、街中のある定食屋に来ていた。こんな所に、ハンター試験への手がかりがあるのだろうか。
「ナマエ、大丈夫?」
「……それにしても、よく君の周りに事故が起こるみたいだ」
ここに来るまで、落とし穴に落ちたりスリをした人にぶつかったりした。キリコさんは、こっちに苦っぽい笑顔を向けている。ハンター試験が本格的に始まる前に、疲労感が少し訪れた。
「ナマエ殿、あまり気を落とさず。様々な方が、ハンター試験に訪れますので」
「そうだぜ、ドジくらいで見放されることはないんだぞ?」
レオリオさんの言葉に対して、どのような反応を取れば良いのか分からない。なので、頷くだけにしておく。
キリコは注文だけして、挨拶をしてから去って行った。自分たちは、店員に案内された席へと着く。テーブルの上に乗るステーキ定食を頬張っていると、地面が動く感覚がした。ここまで、なかなか経験しなかったことがたくさんあった。だから、これも序の口なんだろう。丁度空腹だし、ステーキに専念する予定だ。味付けは今まで食べたことがないくらいに絶妙。何度もカトラリーを動かし、口へと運び続ける。
クラピカさんは、ハンター試験の合格率について少し話していた。その中で、ゴンはぽつりと皆がハンターを求める理由に疑問を溢す。すると、レオリオさんとクラピカさんは勢いよく食いついた。
「ハンターはこの世でもっとも、儲かる仕事なんだぜ!」
「ハンターはこの世でもっとも、気高い仕事なのだよ!」
2人同時で、真逆の属性が飛び出してくる。案の定、彼らはそれぞれのハンターの良さを語る。レオリオさんはやっぱり、お金に関して。クラピカさんは、ハンターへの理念を語る。それぞれ、同時に捲し立てるように話し出す。自分の頭からぷすぷすと、沸騰する音が小さく聞こえてきた。
「どうだ、お前ら!」
「君たちは、どっちのハンターを目指すんだ!」
「どっちって……言われてもなあ……ナマエは決まってるの?」
うむむとステーキを頬張りながら唸るゴンと、ちょっと視界が戻ったわたし。そして、自分はジンさんを探す為に目指したのだから、そこら辺まで考えてなかった。でも、このアクセサリーを知れば、近寄れるのかな。ジンさんと本来の自分へと。
そう考えている内に、床の動きが止まった。どうやら、目的の場所へと着いたようだ。残りのステーキ定食をかき込んで、言い合いをやめた彼らとゴンの隣に立つ。そして、その場を出る。
すると、一面には様々な人々がひしめき合っていた。ここまでたどり着いただけあって、今まで会って来たハンター志望者たちとは違った面構えをしている。誰も彼も、静かに周辺を窺いながら居る。その視線に見られただけで、息が詰まってしまいそう。
「頑張ろうね、ナマエ。いっしょに立派なハンターになろうね」
ゴンがわたしの手を掴んで、きゅっと握ってくれた。そのおかげで、我に返る。彼にお礼を言えば、にっこり笑って返してくれた。
薄暗い地下道で集まっている人たちを見詰めていると、小さな背丈の人にナンバープレートを渡される。その頃には、ゴンから手を離す。レオリオさんも受け取っている最中、小太りの中年男と会話しているゴンが見えた。その男性はトンパと名乗り、このハンター試験での目玉の受験生を教えている。そんな中、人混みの中で叫び声が上がった。そっちを見ると、両腕を失くした男性とその前に立つ男性が視界に入る。その人はトランプを手にして、くつくつと非常に小さく笑っていた。
「チッ……危ないヤツが、今年も来やがった。44番、奇術師ヒソカだ」
トンパさん曰く、去年も参加した人らしい。目立つメイクで、ピエロのようだ。周囲の人間も、張り詰めた空気を帯び出す。クラピカさんとレオリオさんも、ヒソカと言う男にぴりついた眼差しを向けた。
ハンター試験は、誰でも受け入れるようだ。命知らずな職業だと、ミトさんが言っていたことを思い出した。
「……おっと、そうだ。お近づきの印だ、飲みなよ。お互いの健闘を祈って、乾杯だ」
ジュースを人数分も差し出して来て、それぞれ受け取る。トンパさんは、先に飲み始めていた。
自分も飲もうとしたが、突然地下道のコンクリート片が天井からごとっと落ちて来る。丁度、ジュース缶に当たった。重い音を立てて、地べたに缶ごと落ちて行く。当たりどころが悪かったのか、穴が開いてジュースが漏れ出す。コンクリートに染みる模様を、じっと見詰めた。
「……そ、そうか……嬢ちゃん……運が悪いな、残りを渡そう」
トンパさんが新しい缶を差し出そうとしたら、ゴンがジュースを吐き出す。味が変と、言い出した。それを聞いてか、レオリオさんもクラピカさんもジュースを捨て始める。自分も新しい分は、断っておいた。
トンパさんが謝罪している光景を見ている間、突然ジリリリとベルが鳴る音が響きだす。地下トンネルみたいな場所なので、異様に木霊している。その音の発生源へと目を向けると、ひげを生やした男性が居た。高い位置に立っており、わたしたちを見下ろしている。それより、いきなり現れたみたいで、気配が姿を現すまで全く感じ取れなかった。
「ただ今をもって、受付時間を終了いたします。では、これよりハンター試験を開始いたします」
ベルが鳴り止ませ、男性はふわりと舞い降りた。
「こちらへどうぞ」
告げたやいなや、すたすたと歩き始めた。その間、男性はハンター試験への挑戦の注意事項を話している。最終確認をしていても、誰も帰る気配を見せない。それはそうだ、わたしだってそうしない。
気が付くと、周りは走り出していた。
「おいおい、何だ?やけに皆、急いでねーか?」
「やはり、進むペースが段々速くなっている!」
「前の方が走り出したんだよ!!」
確かにそうだ、置いて行かれては脱落濃厚だ。皆と一緒に、自分も走り出す。
前から男性の名前ことサトツさんのこと、そして今が一次試験だと耳に入り込んで来た。皆も聞こえたようで、意気込みを語るレオリオさんの言葉を聞く。自分の気持ちも奮い立たせていると、隣にしゃーっと転がる音が聞こえて来た。その正体は、少年が乗っている板の下に付いている小さな車輪の音。銀髪の少年に対して、怒鳴り付けるレオリオさんと彼を諫めるゴンとクラピカさん。少年はきょとんとして、彼らを見ていた。
「……ねェ、君たちいくつ?」
「もうすぐ12才!」
ゴンと少年が会話している光景を横目で見ていると、少年の青い瞳がぐんぐん近寄って来た。
「君もだよ、言いなよ」
「ナマエは14才だよ!オレのきょうだいなんだ」
「へーそう」
自分のことだとは思わず、彼を見詰め返す。すると、彼は少し離れて突然板から降りた。
「オレ、キルア」
キルアと名乗った少年は、ゴンの隣を歩く。わたしは、ゴンの別隣に走っている状況だ。レオリオさんから名前を聞き出そうとしていたキルアだが、この中で衝撃的な言葉を聞いた。
「これでも、オマエらと同じ10代なんだぞ!?」
オッサンと呼ばれて、そう反撃していた。キルアとゴンは声を張り上げ、クラピカさんは距離を取っている。
見た目と釣り合っていないが、もしかしたら今までの人生がそうさせたのだろうか。
「ナマエ、大丈夫?」
「……それにしても、よく君の周りに事故が起こるみたいだ」
ここに来るまで、落とし穴に落ちたりスリをした人にぶつかったりした。キリコさんは、こっちに苦っぽい笑顔を向けている。ハンター試験が本格的に始まる前に、疲労感が少し訪れた。
「ナマエ殿、あまり気を落とさず。様々な方が、ハンター試験に訪れますので」
「そうだぜ、ドジくらいで見放されることはないんだぞ?」
レオリオさんの言葉に対して、どのような反応を取れば良いのか分からない。なので、頷くだけにしておく。
キリコは注文だけして、挨拶をしてから去って行った。自分たちは、店員に案内された席へと着く。テーブルの上に乗るステーキ定食を頬張っていると、地面が動く感覚がした。ここまで、なかなか経験しなかったことがたくさんあった。だから、これも序の口なんだろう。丁度空腹だし、ステーキに専念する予定だ。味付けは今まで食べたことがないくらいに絶妙。何度もカトラリーを動かし、口へと運び続ける。
クラピカさんは、ハンター試験の合格率について少し話していた。その中で、ゴンはぽつりと皆がハンターを求める理由に疑問を溢す。すると、レオリオさんとクラピカさんは勢いよく食いついた。
「ハンターはこの世でもっとも、儲かる仕事なんだぜ!」
「ハンターはこの世でもっとも、気高い仕事なのだよ!」
2人同時で、真逆の属性が飛び出してくる。案の定、彼らはそれぞれのハンターの良さを語る。レオリオさんはやっぱり、お金に関して。クラピカさんは、ハンターへの理念を語る。それぞれ、同時に捲し立てるように話し出す。自分の頭からぷすぷすと、沸騰する音が小さく聞こえてきた。
「どうだ、お前ら!」
「君たちは、どっちのハンターを目指すんだ!」
「どっちって……言われてもなあ……ナマエは決まってるの?」
うむむとステーキを頬張りながら唸るゴンと、ちょっと視界が戻ったわたし。そして、自分はジンさんを探す為に目指したのだから、そこら辺まで考えてなかった。でも、このアクセサリーを知れば、近寄れるのかな。ジンさんと本来の自分へと。
そう考えている内に、床の動きが止まった。どうやら、目的の場所へと着いたようだ。残りのステーキ定食をかき込んで、言い合いをやめた彼らとゴンの隣に立つ。そして、その場を出る。
すると、一面には様々な人々がひしめき合っていた。ここまでたどり着いただけあって、今まで会って来たハンター志望者たちとは違った面構えをしている。誰も彼も、静かに周辺を窺いながら居る。その視線に見られただけで、息が詰まってしまいそう。
「頑張ろうね、ナマエ。いっしょに立派なハンターになろうね」
ゴンがわたしの手を掴んで、きゅっと握ってくれた。そのおかげで、我に返る。彼にお礼を言えば、にっこり笑って返してくれた。
薄暗い地下道で集まっている人たちを見詰めていると、小さな背丈の人にナンバープレートを渡される。その頃には、ゴンから手を離す。レオリオさんも受け取っている最中、小太りの中年男と会話しているゴンが見えた。その男性はトンパと名乗り、このハンター試験での目玉の受験生を教えている。そんな中、人混みの中で叫び声が上がった。そっちを見ると、両腕を失くした男性とその前に立つ男性が視界に入る。その人はトランプを手にして、くつくつと非常に小さく笑っていた。
「チッ……危ないヤツが、今年も来やがった。44番、奇術師ヒソカだ」
トンパさん曰く、去年も参加した人らしい。目立つメイクで、ピエロのようだ。周囲の人間も、張り詰めた空気を帯び出す。クラピカさんとレオリオさんも、ヒソカと言う男にぴりついた眼差しを向けた。
ハンター試験は、誰でも受け入れるようだ。命知らずな職業だと、ミトさんが言っていたことを思い出した。
「……おっと、そうだ。お近づきの印だ、飲みなよ。お互いの健闘を祈って、乾杯だ」
ジュースを人数分も差し出して来て、それぞれ受け取る。トンパさんは、先に飲み始めていた。
自分も飲もうとしたが、突然地下道のコンクリート片が天井からごとっと落ちて来る。丁度、ジュース缶に当たった。重い音を立てて、地べたに缶ごと落ちて行く。当たりどころが悪かったのか、穴が開いてジュースが漏れ出す。コンクリートに染みる模様を、じっと見詰めた。
「……そ、そうか……嬢ちゃん……運が悪いな、残りを渡そう」
トンパさんが新しい缶を差し出そうとしたら、ゴンがジュースを吐き出す。味が変と、言い出した。それを聞いてか、レオリオさんもクラピカさんもジュースを捨て始める。自分も新しい分は、断っておいた。
トンパさんが謝罪している光景を見ている間、突然ジリリリとベルが鳴る音が響きだす。地下トンネルみたいな場所なので、異様に木霊している。その音の発生源へと目を向けると、ひげを生やした男性が居た。高い位置に立っており、わたしたちを見下ろしている。それより、いきなり現れたみたいで、気配が姿を現すまで全く感じ取れなかった。
「ただ今をもって、受付時間を終了いたします。では、これよりハンター試験を開始いたします」
ベルが鳴り止ませ、男性はふわりと舞い降りた。
「こちらへどうぞ」
告げたやいなや、すたすたと歩き始めた。その間、男性はハンター試験への挑戦の注意事項を話している。最終確認をしていても、誰も帰る気配を見せない。それはそうだ、わたしだってそうしない。
気が付くと、周りは走り出していた。
「おいおい、何だ?やけに皆、急いでねーか?」
「やはり、進むペースが段々速くなっている!」
「前の方が走り出したんだよ!!」
確かにそうだ、置いて行かれては脱落濃厚だ。皆と一緒に、自分も走り出す。
前から男性の名前ことサトツさんのこと、そして今が一次試験だと耳に入り込んで来た。皆も聞こえたようで、意気込みを語るレオリオさんの言葉を聞く。自分の気持ちも奮い立たせていると、隣にしゃーっと転がる音が聞こえて来た。その正体は、少年が乗っている板の下に付いている小さな車輪の音。銀髪の少年に対して、怒鳴り付けるレオリオさんと彼を諫めるゴンとクラピカさん。少年はきょとんとして、彼らを見ていた。
「……ねェ、君たちいくつ?」
「もうすぐ12才!」
ゴンと少年が会話している光景を横目で見ていると、少年の青い瞳がぐんぐん近寄って来た。
「君もだよ、言いなよ」
「ナマエは14才だよ!オレのきょうだいなんだ」
「へーそう」
自分のことだとは思わず、彼を見詰め返す。すると、彼は少し離れて突然板から降りた。
「オレ、キルア」
キルアと名乗った少年は、ゴンの隣を歩く。わたしは、ゴンの別隣に走っている状況だ。レオリオさんから名前を聞き出そうとしていたキルアだが、この中で衝撃的な言葉を聞いた。
「これでも、オマエらと同じ10代なんだぞ!?」
オッサンと呼ばれて、そう反撃していた。キルアとゴンは声を張り上げ、クラピカさんは距離を取っている。
見た目と釣り合っていないが、もしかしたら今までの人生がそうさせたのだろうか。
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