足跡はずっと黒く
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わたしが住んでいる場所は、くじら島。血は繋がっていない、お母さんとおばあちゃんと弟の4人でくらしている。
「ナマエ、行こうよ!」
弟のゴンとは、2才も差があるけどよく遊んでいる。もともとが、この島の中の子どもの人数が少なすぎることも大きい。
でも、わたしはゴンみたいにたくさん体力があるわけじゃない。それに、昔からそそっかしいって言われて、たくさんこけてしまう。だから、置いて行かれることがある。
「大丈夫?置いて行ってごめん、いっしょに行こう!」
そう言って、またいっしょに行く。昔から、よくこういうことを何度もしている。にこにこしているゴンを見ると、周りにはたくさんの動物がいる。でも、動物たちはわたしを見たら逃げちゃう。ちょっと、胸がきゅっとしめ付けられる。
「しょうがないよ、ナマエは悪くないんだから」
昔から、わたしのやらかしたことをカバーしてくれる。わたしの方が姉なのに、どっちが上か分かんなくなる。
そんな毎日ばかりで、ため息をつきながら森を歩く。でもやっぱり、上からいきなりくさった枝が落ちて来たり、こけたり。その中でやっとゴンを見つけたと思ったら、横には長い髪の男性がいた。じいっとものかげから見ていたけど、ぱっと長髪の男性がこっちを見てくる。体がびくっとはねて、しりもちをついてしまった。
「……ああ、お嬢さん……すまない、驚かせる気はなかったんだ」
何とか立ち上がって、小さくうなずく。
その人が近よって来たけど、ゴンの上半身がぼろぼろだと気づいた。服がさけてて、傷だらけの肌が見えている。ゴンに近よって、傷を見るだけで目があつくなって視界がうるむ。
「ゴン、やはり無茶はするものじゃないぞ。お前のことを大事にしているお嬢さんが、泣いてしまうだろう」
「うん……ごめん、ナマエ。でも、大丈夫だよ」
こっちを見上げるゴンに、自分の目元をふいて首を横にふった。
さっきから、知らない男性が視界にちらちら入って来る。少し気になってしまう。
「あ、このオジサンはカイトさん。オレの親父……ジンの弟子のハンターだって」
カイトさんが、オジサンと言われて少し口を開けて反応してる。でも、ジンさんの知り合いと聞いて、心臓がたくさん鳴っていた。
「この子は、オレの姉貴のナマエ。血はつながってないけど、家族なんだ。親父が死ぬ前に、拾った子どもなんだって」
「そうか、拾い子なのか……よろしくな。しかし、ナマエの首にぶら下がっている物は……いや、何でも無い」
わたしの首元を見て、少し顔をそらすカイトさん。何があるかと言われたら、ジンさんに赤ちゃんの時にもらったネックレス。離さないようにと言われたのはうっすらと覚えていたから、毎日身に付けている。
ハンターという職業は、ちらりと聞いたことがある。この世界で上位にいるくらいに、お金持ちになれる職業だと。
彼らの近くに座って、話に混じってみる。ハンターの話、キツネグマの話、そしてジンさんの話。
「……そうだ、2人とも。ジンさんは死んじゃいないよ」
最高のハンターと言った直後、そう言ったカイトさん。ゴンの顔は、とつぜんのことでぼうっとしているようだ。自分も、死んだと思ってた人が生き返った気持ちになっている。
そして、カイトさんは話を続ける。ジンさんに一番近い存在のゴンだからこそ、ミトさんがずっと隠していたと。カイトさんの考えだから、本当にそうかは知らない。でも、彼の言ったことは、なっとくできるところがとても多く感じた。
「だが、どう見てもゴンは優秀なハンターの器量だよ。いいハンターってやつは、動物に好かれちまうんだよ」
言いながら、立ち上がるカイトさん。
「しかし、ジンさんに子どもが2人居たとはな……2人とも、じゃあな」
そして、帽子のつばを掴んで去って行った。残されたわたしとゴンの近くに、てちてちとキツネグマの子どもがやって来る。その子どもを抱き上げたゴンの少し離れた所に、四角い人工物が落ちていた。拾い上げると、ボールチェーンにつながれたXが2つ連なっている変なカードと分かる。それをゴンに見せる。
「それ、さっきのカイトさんのじゃないの?」
ありうる結果にすぐにぶつかって、カイトさんをいっしょに探しに行く。でも、もうどこにも姿はなかった。そんなに時間はたってないのに。
首をかしげながら、ゴンにそのカードをわたす。わたしが持っているより、知り合ってまだ長い方が持っていた方が良いと思ったから。
「うん、分かった!返せるようにがんばる!」
こくりと頷くと、ゴンはピーンとカードを空へと掲げた。きらりと輝くそれを、きらきらした目で見上げている。
「オレ、ハンターになりたい!ううん!なるんだ!」
そう言った。自分でも、目を見開いていると分かるくらいに目を動かしていた。そして、ゴンをじっと見ているのも分かってしまう。
「ナマエ、おどろいてるの?そうだよね、うん。オレでもちょっとおどろいてるけど……ワクワクしてるんだ!」
その顔は、遠い昔に生まれて初めて見た男性の横顔にちょっと似ている。期待を望んでいるような目で、遠い景色を見ていたのをふわりと思い出していた。
「ナマエ、行こうよ!」
弟のゴンとは、2才も差があるけどよく遊んでいる。もともとが、この島の中の子どもの人数が少なすぎることも大きい。
でも、わたしはゴンみたいにたくさん体力があるわけじゃない。それに、昔からそそっかしいって言われて、たくさんこけてしまう。だから、置いて行かれることがある。
「大丈夫?置いて行ってごめん、いっしょに行こう!」
そう言って、またいっしょに行く。昔から、よくこういうことを何度もしている。にこにこしているゴンを見ると、周りにはたくさんの動物がいる。でも、動物たちはわたしを見たら逃げちゃう。ちょっと、胸がきゅっとしめ付けられる。
「しょうがないよ、ナマエは悪くないんだから」
昔から、わたしのやらかしたことをカバーしてくれる。わたしの方が姉なのに、どっちが上か分かんなくなる。
そんな毎日ばかりで、ため息をつきながら森を歩く。でもやっぱり、上からいきなりくさった枝が落ちて来たり、こけたり。その中でやっとゴンを見つけたと思ったら、横には長い髪の男性がいた。じいっとものかげから見ていたけど、ぱっと長髪の男性がこっちを見てくる。体がびくっとはねて、しりもちをついてしまった。
「……ああ、お嬢さん……すまない、驚かせる気はなかったんだ」
何とか立ち上がって、小さくうなずく。
その人が近よって来たけど、ゴンの上半身がぼろぼろだと気づいた。服がさけてて、傷だらけの肌が見えている。ゴンに近よって、傷を見るだけで目があつくなって視界がうるむ。
「ゴン、やはり無茶はするものじゃないぞ。お前のことを大事にしているお嬢さんが、泣いてしまうだろう」
「うん……ごめん、ナマエ。でも、大丈夫だよ」
こっちを見上げるゴンに、自分の目元をふいて首を横にふった。
さっきから、知らない男性が視界にちらちら入って来る。少し気になってしまう。
「あ、このオジサンはカイトさん。オレの親父……ジンの弟子のハンターだって」
カイトさんが、オジサンと言われて少し口を開けて反応してる。でも、ジンさんの知り合いと聞いて、心臓がたくさん鳴っていた。
「この子は、オレの姉貴のナマエ。血はつながってないけど、家族なんだ。親父が死ぬ前に、拾った子どもなんだって」
「そうか、拾い子なのか……よろしくな。しかし、ナマエの首にぶら下がっている物は……いや、何でも無い」
わたしの首元を見て、少し顔をそらすカイトさん。何があるかと言われたら、ジンさんに赤ちゃんの時にもらったネックレス。離さないようにと言われたのはうっすらと覚えていたから、毎日身に付けている。
ハンターという職業は、ちらりと聞いたことがある。この世界で上位にいるくらいに、お金持ちになれる職業だと。
彼らの近くに座って、話に混じってみる。ハンターの話、キツネグマの話、そしてジンさんの話。
「……そうだ、2人とも。ジンさんは死んじゃいないよ」
最高のハンターと言った直後、そう言ったカイトさん。ゴンの顔は、とつぜんのことでぼうっとしているようだ。自分も、死んだと思ってた人が生き返った気持ちになっている。
そして、カイトさんは話を続ける。ジンさんに一番近い存在のゴンだからこそ、ミトさんがずっと隠していたと。カイトさんの考えだから、本当にそうかは知らない。でも、彼の言ったことは、なっとくできるところがとても多く感じた。
「だが、どう見てもゴンは優秀なハンターの器量だよ。いいハンターってやつは、動物に好かれちまうんだよ」
言いながら、立ち上がるカイトさん。
「しかし、ジンさんに子どもが2人居たとはな……2人とも、じゃあな」
そして、帽子のつばを掴んで去って行った。残されたわたしとゴンの近くに、てちてちとキツネグマの子どもがやって来る。その子どもを抱き上げたゴンの少し離れた所に、四角い人工物が落ちていた。拾い上げると、ボールチェーンにつながれたXが2つ連なっている変なカードと分かる。それをゴンに見せる。
「それ、さっきのカイトさんのじゃないの?」
ありうる結果にすぐにぶつかって、カイトさんをいっしょに探しに行く。でも、もうどこにも姿はなかった。そんなに時間はたってないのに。
首をかしげながら、ゴンにそのカードをわたす。わたしが持っているより、知り合ってまだ長い方が持っていた方が良いと思ったから。
「うん、分かった!返せるようにがんばる!」
こくりと頷くと、ゴンはピーンとカードを空へと掲げた。きらりと輝くそれを、きらきらした目で見上げている。
「オレ、ハンターになりたい!ううん!なるんだ!」
そう言った。自分でも、目を見開いていると分かるくらいに目を動かしていた。そして、ゴンをじっと見ているのも分かってしまう。
「ナマエ、おどろいてるの?そうだよね、うん。オレでもちょっとおどろいてるけど……ワクワクしてるんだ!」
その顔は、遠い昔に生まれて初めて見た男性の横顔にちょっと似ている。期待を望んでいるような目で、遠い景色を見ていたのをふわりと思い出していた。
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