熊ノ井中女子生徒達による、榎木拓也ディスカッション

時は放課後、ここは熊ノ井中学校1年A組の教室。

「本日は、お忙しい中お集まり頂き、有難うございます」
場を仕切るのは、槍溝愛。

「何で槍溝さんが仕切るのよ、と言っても貴女がやっぱり適任なのよね」
かしまし三人娘の一人、希美が言う。
他にいるメンバーは、萌・果子・仲題公美・深谷しな子――要するに、小6の時にバレンタインレースをしていたメンバーである。

「中学生活も早いもので一年が過ぎようとしている今日この頃、ますますカッコ良く、なのに可愛さも兼ね備えている我らが榎木拓也君について、ディスカッションをしたいと思います」

題して『誰とのツーショットが、私達の心を癒してくれるでしょうか!?』

わ――――っ!!と、拍手をして盛り上がる一同。

(私…何でこの中にいるのかしら…)
一人、周りに合わせて拍手をしながら内心泣きたい気分の深谷がいるが。

「まず、拓也君と常に一緒にいる人と言えば…」
萌の第一声に答える一同一致の声、
「ゴンなのよねー…」

「ビジュアル的に一番ない相手だけど、榎木君にとっては一番の親友で、理解し合ってる間柄が彼です」
槍溝は言う。

「次にビジュアル的No.1候補、広瀬努君」

「綺麗な組み合わせよね!!」
「二人揃ってると、私ドキドキしちゃう…」
「広瀬君って結構言葉とかキツイけど、拓也君といると穏やかよねぇ」
(確かに…)
それぞれが二人のツーショットを思い出して感想を言うのに対し、深谷はそれらの意見を心の中で肯定する。

「次もビジュアル的No.1候補の一人、竹中七海君」

「竹中君も相変わらず可愛い!!」
「でも、最近ちょっと男の子っぽくなって来たよね」
「榎木君とどっちが笑顔可愛いかなぁ」
「決められない~」

母性本能を擽られる組み合わせに、盛り上がる一同。
中学に上がって制服になり、二人揃ってまだ可愛らしさの残る顔立ちに学ラン(or白シャツ)という組み合わせも堪らなく擽られる要素も大きなポイントである。

「次!中学上がって同じクラスになってから、急速に仲良くなってる宮前裕多君」

「あ!よく放課後、一緒にスーパーに買い物行ってるよね!」
「主婦仲間でしょ?」
「この前、拓也君がお料理のレシピ教えてたわ…」
「何かこの組み合わせは、私達の女子力を試されてるようね…」

普段、キッチンにも立たない女子達には、心刔られる組み合わせのようだ。
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