ちょっと大人の話③

◆やっぱり頬だけじゃ足りなかったので◆
元記事→眠るあなたの頬にキスを落とす(携帯版)/(PC版)

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「ただいま」

寝呆け眼の拓也の目元にキスをしながら、抱き抱えたままになっていたその恋人を、ベッドの上にそっと降ろす。

「ん…」

掠めるだけのキスに、拓也は擽ったそうに首を竦めた。

「疲れてるんだろ?寝てていいぞ」

「でも…」
起き上がろうとする拓也を、やんわりとベッドに押し戻して、額にも口付け一つ。

「な?」
「…………」
何か言いたそうに、無言で上目遣いで見上げてくる。

「拓…」
「だったら…」
俺の呼び掛けに被せるように言葉を発し、首に腕を回して来たと思ったら、耳元に―――


もっとキスして、眠らせて?


そうして、項に甘い痛み。


「…いいのか?」
「ん?」


却って、眠れなくなるぞ?


フフ、と微笑んで

「それなら、それで…」


望むところだよ






さて、明日は風邪を引く事にしようか―――。




      -2013.03.08 UP-
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