いつもと変わらない、少し違う一日のスタート
朝、最寄り駅に向かう途中の通学路にて、いつものように拓也と出会う。
「おす」
「おはよ、藤井君」
今日もいつもと変わらない、一日のスタート。
その時―――
ふわり
風にのって、甘い香りが藤井の鼻を掠めた。
「甘い匂いがする…」
藤井が自然と口にすると
「あ…」
何となく照れた様子で拓也が答える。
「昨日、賞味期限ギリギリのホットケーキミックス見つけて…」
大量に作っちゃったから、今朝のごはんもホットケーキだったんだ…。
高校1年の男子が朝からホットケーキとは、何とも可愛いらしすぎないか?
電車に乗り込むと、ここもいつもと変わらないラッシュアワー。
ただ違うのは、藤井の目線のすぐ下にあるサラサラの髪から漂う香りがいつものシャンプーとは違うバニラエッセンスの香りだということ。
鼻孔を擽る甘い香りに、つい抱きしめたくなる衝動を押さえつつ、
「まだあるのか?」
と聞くと
「まだあるんだよ…食べる?」
と上目遣いで拓也は聞き返す。
「食べたい」
「じゃあ、放課後はウチに寄ってね」
今日は一日楽しく過ごせそうだ。
-2012.12.24 UP-
「おす」
「おはよ、藤井君」
今日もいつもと変わらない、一日のスタート。
その時―――
ふわり
風にのって、甘い香りが藤井の鼻を掠めた。
「甘い匂いがする…」
藤井が自然と口にすると
「あ…」
何となく照れた様子で拓也が答える。
「昨日、賞味期限ギリギリのホットケーキミックス見つけて…」
大量に作っちゃったから、今朝のごはんもホットケーキだったんだ…。
高校1年の男子が朝からホットケーキとは、何とも可愛いらしすぎないか?
電車に乗り込むと、ここもいつもと変わらないラッシュアワー。
ただ違うのは、藤井の目線のすぐ下にあるサラサラの髪から漂う香りがいつものシャンプーとは違うバニラエッセンスの香りだということ。
鼻孔を擽る甘い香りに、つい抱きしめたくなる衝動を押さえつつ、
「まだあるのか?」
と聞くと
「まだあるんだよ…食べる?」
と上目遣いで拓也は聞き返す。
「食べたい」
「じゃあ、放課後はウチに寄ってね」
今日は一日楽しく過ごせそうだ。
-2012.12.24 UP-
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