報告!一加のお兄ちゃん観察リポート☆

「兄ちゃーん、宿題終わったよー」
リビングから実ちゃんと昭広兄ちゃんがやって来た。
「お疲れ様、実。実の宿題見てくれてありがとう、藤井君」
「こん位何でもねぇよ。こっちこそ、一加が煩くて悪いな」
「煩いって何よぉ」
「まあまあ、僕の方こそ、この位お安いご用だよ」
私と昭広兄ちゃんの口喧嘩が始まりそうな気配を感じ、お兄様がすかさず止めに入る。
これももう、いつものパターン。
そんな流れの中、昭広兄ちゃんが何かしら拓也お兄様に耳打ちして、すると顔を真っ赤にしたお兄様が「藤井君!!」とお兄ちゃんを咎める。

…イチャつくならよそでやって欲しいわね…。

見てるこっちが恥ずかしくて、ふと実ちゃんに視線を移すと何だか怒ってる表情。
「兄ちゃん!僕もないしょばなし するー」
「えっ!?何で!?」
「藤井の兄ちゃんばっかり、ズルイー」
「実…」
実ちゃんにグイグイ腕を引っ張られながら困り顔のお兄様。

実ちゃんも、相変わらずブラコンパワー健在ね。
まあ、もう、その事含めて実ちゃんだから、今更どうも思わないわ。
私の実ちゃんへの愛は海より深いもの。

「ところで、僕と実までお昼一緒に頂いちゃっていいの?」
「何言ってんだよ。殆ど榎木が作ってんのに、当たり前だろ。それにお袋と親父はマー坊連れて出掛けてるし、俺達こそ昼飯にありつけて有り難い位だよ」
「ちょっと!聞き捨てならないわね!殆どお兄様が作ってるって失礼ね!」
「そうだよ藤井君。一加ちゃん、頑張ってるのに」
やっぱりお兄様優しい。
男たるものこうでなくちゃ!
「昭広兄ちゃんのデリカシー無し。拓也お兄様の爪の垢煎じて飲めばいいんだわ」
「ほら一加ちゃんも、そういう事言わない!」
「怒られてやんの」
「藤井君!!もう、二人共いー加減にしないと、料理教室やめるからね!」
「ごめんなさい」
拓也お兄様の一言に、二人同時に謝る。
何だかんだで一番強いのは拓也お兄様なのよね。

「ほら!そろそろ出来るから、藤井君、お茶碗とか出してくれる?」
「了解ー」

…………。
うん、まあ。
お兄ちゃんも何考えてるのか解らないところはあるけど、美形の拓也お兄様といる時はソージョーコーカ?でいつもよりカッコ良く見えるし、拓也お兄様も幸せそうに笑う。
何だかんだでお似合いなのよね。

「実ちゃん、お昼食べたら、外に遊びに行かない?」
「うん!いいよー公園?」
「そうねー」
子供の私達には、その位しか行くトコなんてないけど。

「昭広兄ちゃん、気ぃ遣って実ちゃん連れ出してあげるから、感謝してよね」
昭広兄ちゃんにコソッと耳打ち。
「…恩に着る」
親指をグッと立てて、昭広兄ちゃんらしいお礼を言われる。
まあ、この位は協力してあげるわ。
拓也お兄様の為にもね。
「ハーゲン○ッツね」
「金ない。ガ○ガリ君ソーダ味で許せ」
「安っ!!せめてリッチのプリン味!!」
「あ、いいなぁ、僕も帰り買って帰ろう」
「僕、コーラあじー!!」
お皿や箸を並べながらそんな会話を楽しみつつ。

「藤井君、ご飯この位?」
「もうちょい多めで」

拓也お兄様の隣に立って私達家族でも見た事ない位の上機嫌なお兄ちゃんを見ると、時々二人にあてられるけど、二人が幸せならいっか…と思います。

以上、一加のリポートでした!


-2013.04.22 UP-
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