課外授業へ行こう!
バスで港のフェリー乗り場まで行き、フェリーに乗り換え。
フェリーから降りれば、すぐ側に水族館が構えていた。
「中はグループ毎に自由行動。時間厳守で集合、遅れた奴は置いて帰るからなー解散!」
学年主任の話を終えて、水族館散策が始まった。
「いろんなショーをアチコチでやるんだね」
「見るならどれか絞らないと、全部は無理だぞ?」
パンフレットのタイムスケジュールを見ながらどれにする?と話す。
「やっぱアシカ?」
「ペンギンも捨て難い」
「イルカもいいよなー」
ワイワイ話しながらも、目の前の大きい水槽を雄大に泳ぐ魚達もしっかり見学する。
お昼を食べて、アシカのショーを見て、お土産コーナーへ。
「藤井君、お土産買う?」
「一加に "キレイなイルカのストラップ買って来てぇ"って言われた… 」
「一加ちゃんらしい」
クスクス笑い、一緒にストラップを吟味。
「あ、コレなんかどう?」
イルカのモチーフの下にクローバーとピンクのストーンのチャームが付いたストラップ。
「可愛いよね」
「そうだな、コレにするか」
「実にはコレにしようかな」
イルカとイニシャルのアルファベットが付いたキーホルダー。
(あ、コレかっこいい)
一目惚れしたストラップも一つ追加して、拓也はレジヘ向かった。
夕方より少し遅い時刻。
生徒達を乗せたバスは無事学校ヘ辿り着いた。
「もう今日はまっすぐ家帰って、週末しっかり休めよー。で、来週からまた勉学に励むように―――解散!」
「もう寄り道する気力なんてねぇよ」
「俺ら今からチャリこいで帰るんだぜ」
「チャリ通こういう時地獄」
自転車通学の小野崎と中橋はウンザリ気味に駐輪場ヘ向かう。
「じゃなーまた来週!」
「うんバイバーイ!」
自転車組に手を振って、電車組は校門ヘ向かった。
布瀬と穂波は拓也達とは違う路線なので、こちらも駅で解散。
帰宅ラッシュより時間がズレたので、席に座る事ができた。
「楽しかったねー」
「アシカ凄かったな」
「藤井君意外に夢中になってたよね」
「お前こそ」
一緒に過ごした時間を振り返ると、体の疲労感も心地良い。
駅を出て、分かれ道。
「あ、藤井君!」
「榎木、コレ」
二人同時に差し出したのは同じ小さな袋。
「え?」
「何…」
二人顔を見合わせて、ぷっと吹き出す。
「サンキュ」
「こちらこそ」
袋を交換して「開けっこしよっか」と二人同時に中身を出すと…
藤井の手には黒い、拓也の手にはベージュの、革製のストラップ。
革の帯の先には、イルカのモチーフがあしらわれていた。
「色違いだ」
「お揃い…?」
何となく気恥ずかしさに藤井は赤くなったけど
「僕は嬉しいよ」
と拓也はニッコリ笑い、
「でもケータイにお揃いはやっぱり学校とか照れ臭いから、こっちに付けるね」
と、家の鍵に付けて見せた。
「ああ、そうだな」
藤井も自宅の鍵に付けると
「えへへ、秘密のお揃いだね」
と拓也は自分の鍵を藤井の鍵にカツンと小さくぶつけた。
-2013.01.03 UP-
フェリーから降りれば、すぐ側に水族館が構えていた。
「中はグループ毎に自由行動。時間厳守で集合、遅れた奴は置いて帰るからなー解散!」
学年主任の話を終えて、水族館散策が始まった。
「いろんなショーをアチコチでやるんだね」
「見るならどれか絞らないと、全部は無理だぞ?」
パンフレットのタイムスケジュールを見ながらどれにする?と話す。
「やっぱアシカ?」
「ペンギンも捨て難い」
「イルカもいいよなー」
ワイワイ話しながらも、目の前の大きい水槽を雄大に泳ぐ魚達もしっかり見学する。
お昼を食べて、アシカのショーを見て、お土産コーナーへ。
「藤井君、お土産買う?」
「一加に "キレイなイルカのストラップ買って来てぇ"って言われた… 」
「一加ちゃんらしい」
クスクス笑い、一緒にストラップを吟味。
「あ、コレなんかどう?」
イルカのモチーフの下にクローバーとピンクのストーンのチャームが付いたストラップ。
「可愛いよね」
「そうだな、コレにするか」
「実にはコレにしようかな」
イルカとイニシャルのアルファベットが付いたキーホルダー。
(あ、コレかっこいい)
一目惚れしたストラップも一つ追加して、拓也はレジヘ向かった。
夕方より少し遅い時刻。
生徒達を乗せたバスは無事学校ヘ辿り着いた。
「もう今日はまっすぐ家帰って、週末しっかり休めよー。で、来週からまた勉学に励むように―――解散!」
「もう寄り道する気力なんてねぇよ」
「俺ら今からチャリこいで帰るんだぜ」
「チャリ通こういう時地獄」
自転車通学の小野崎と中橋はウンザリ気味に駐輪場ヘ向かう。
「じゃなーまた来週!」
「うんバイバーイ!」
自転車組に手を振って、電車組は校門ヘ向かった。
布瀬と穂波は拓也達とは違う路線なので、こちらも駅で解散。
帰宅ラッシュより時間がズレたので、席に座る事ができた。
「楽しかったねー」
「アシカ凄かったな」
「藤井君意外に夢中になってたよね」
「お前こそ」
一緒に過ごした時間を振り返ると、体の疲労感も心地良い。
駅を出て、分かれ道。
「あ、藤井君!」
「榎木、コレ」
二人同時に差し出したのは同じ小さな袋。
「え?」
「何…」
二人顔を見合わせて、ぷっと吹き出す。
「サンキュ」
「こちらこそ」
袋を交換して「開けっこしよっか」と二人同時に中身を出すと…
藤井の手には黒い、拓也の手にはベージュの、革製のストラップ。
革の帯の先には、イルカのモチーフがあしらわれていた。
「色違いだ」
「お揃い…?」
何となく気恥ずかしさに藤井は赤くなったけど
「僕は嬉しいよ」
と拓也はニッコリ笑い、
「でもケータイにお揃いはやっぱり学校とか照れ臭いから、こっちに付けるね」
と、家の鍵に付けて見せた。
「ああ、そうだな」
藤井も自宅の鍵に付けると
「えへへ、秘密のお揃いだね」
と拓也は自分の鍵を藤井の鍵にカツンと小さくぶつけた。
-2013.01.03 UP-
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