桜・煌めく・Xmas
少し過去…一年前のお話。
拓也達は受験戦争の真っ只中―――…。
「あー拓也ー、模試の結果どうだったー?」
うなだれながら廊下の窓から顔を出すのは後藤。
「ゴンちゃん…そのうなだれようは…」
「他は何とか!数学だけが、数学が俺の脚を引っ張るぅぅぅ」
拓也と藤井は同じ進学校へ、後藤は部活で選んだ商業高校へと進路を決め、後は目標へ走るのみ!となった冬のある日、模試の結果を持って隣のクラスから嘆きに来たらしい。
「拓也はどうだったんだ?」
「何とかA判定貰ったけど…冬休み、数学対策する?」
放っておけなくてつい一言。
「いっいいのかー!?」
「僕も復習になるし」
「拓也愛してるー!!」
と窓越しにギュッと抱き着く。
と同時に
ドカッ!
「いってぇ!!」
涙目で振り返った先には、学生ズボンの左右のポケットに手を突っ込んだまま後藤の尻を蹴り飛ばした同級生。
「ふっじぃー」
「藤井君、模試どうだった?」
ゴンちゃん大丈夫?と苦笑いしながら拓也は藤井の成績を聞く。
「まあ、何とかA判定」
「そっかぁよかったぁ」
ホッと安心した表情を見せると、藤井も満足そうな表情をした。
「ところで、昨日仁志から電話があってよ」
と藤井が話を切り出す。
「イブの前日って祝日だろ?遊ばないかって」
「はぁ~?アイツ、俺ら受験生っての忘れてねえか?」
と呆れる後藤。
「まあ、森口君はエスカレーターで受験ないし…」
拓也も困惑気味。
「だからだとよ。受験勉強でギスギス荒んだ精神を清めようとか言いやがって」
誰よりも森口と付き合いの長い藤井は時々森口の言動に振り回されている。
「森口君、元気?」
拓也は久しく会っていないかつての級友を懐かしく思う。
「俺も最近は会ってないけど、夏会った時は元気だった」
藤井は今は受験生という立場上、回数は減ったが時々は森口と会って遊ぶらしい。
「久しぶりだし…ちょっとくらい遊んじゃう?」
と珍しく拓也が賛成側へ。
「榎木がいいなら別に構わん」
とサラっと同意する藤井。
「おっ俺、遊んで大丈夫かなっ!?」
危うい線を渡っている後藤は焦った返答。
「ゴンちゃん!23日までに今回間違えた問題克服しよう!僕見てあげるから!」
「拓也…!!」
がばっと拓也に抱き着き、再び藤井キックをくらう。
すると帰りのHRが始まるチャイムが響き
「じゃ、榎木、バイ!」
とズルズルと後藤を引きずって自分達のクラスへ帰って行った。
「仲がいいんだか悪いんだか」
苦笑しながら手を振って、拓也は廊下の窓から二人を見送った。
拓也達は受験戦争の真っ只中―――…。
「あー拓也ー、模試の結果どうだったー?」
うなだれながら廊下の窓から顔を出すのは後藤。
「ゴンちゃん…そのうなだれようは…」
「他は何とか!数学だけが、数学が俺の脚を引っ張るぅぅぅ」
拓也と藤井は同じ進学校へ、後藤は部活で選んだ商業高校へと進路を決め、後は目標へ走るのみ!となった冬のある日、模試の結果を持って隣のクラスから嘆きに来たらしい。
「拓也はどうだったんだ?」
「何とかA判定貰ったけど…冬休み、数学対策する?」
放っておけなくてつい一言。
「いっいいのかー!?」
「僕も復習になるし」
「拓也愛してるー!!」
と窓越しにギュッと抱き着く。
と同時に
ドカッ!
「いってぇ!!」
涙目で振り返った先には、学生ズボンの左右のポケットに手を突っ込んだまま後藤の尻を蹴り飛ばした同級生。
「ふっじぃー」
「藤井君、模試どうだった?」
ゴンちゃん大丈夫?と苦笑いしながら拓也は藤井の成績を聞く。
「まあ、何とかA判定」
「そっかぁよかったぁ」
ホッと安心した表情を見せると、藤井も満足そうな表情をした。
「ところで、昨日仁志から電話があってよ」
と藤井が話を切り出す。
「イブの前日って祝日だろ?遊ばないかって」
「はぁ~?アイツ、俺ら受験生っての忘れてねえか?」
と呆れる後藤。
「まあ、森口君はエスカレーターで受験ないし…」
拓也も困惑気味。
「だからだとよ。受験勉強でギスギス荒んだ精神を清めようとか言いやがって」
誰よりも森口と付き合いの長い藤井は時々森口の言動に振り回されている。
「森口君、元気?」
拓也は久しく会っていないかつての級友を懐かしく思う。
「俺も最近は会ってないけど、夏会った時は元気だった」
藤井は今は受験生という立場上、回数は減ったが時々は森口と会って遊ぶらしい。
「久しぶりだし…ちょっとくらい遊んじゃう?」
と珍しく拓也が賛成側へ。
「榎木がいいなら別に構わん」
とサラっと同意する藤井。
「おっ俺、遊んで大丈夫かなっ!?」
危うい線を渡っている後藤は焦った返答。
「ゴンちゃん!23日までに今回間違えた問題克服しよう!僕見てあげるから!」
「拓也…!!」
がばっと拓也に抱き着き、再び藤井キックをくらう。
すると帰りのHRが始まるチャイムが響き
「じゃ、榎木、バイ!」
とズルズルと後藤を引きずって自分達のクラスへ帰って行った。
「仲がいいんだか悪いんだか」
苦笑しながら手を振って、拓也は廊下の窓から二人を見送った。
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