転移陣から出た途端、マモンは明るさで目が眩んだ。魔術で疑似的に作り出すことが出来るとはいえ、本物の陽射しが目に飛び込むのは夜闇になれたものには厳しい。もっともかつては天界で飽きるほど浴びていたはずなのだが、なにせ何千年も前のことなのでその感覚はとうに忘れてしまっていた。

「すごい、ほんとにきた」

　ようやく目が慣れてきた頃、聞きたくて仕方なかった声が耳に届く。目の前に立つ##NAME1##は、記憶のままの姿でマモンを迎えた。

「バーカ、当たり前だろ」

　マモンの心底嬉しそうな顔は、言葉とは全く噛み合っていなかった。