的場と見る夢
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「なぁ…… 野風…」
「…?… 何ですか?」
「野風のこと…
喰べていい?」
「…………💦」
主様は、たまに変なスイッチが入る…
「なーなー
喰べていい?いい?」
「主様、キャラ違うんですけど…」
スイッチが入ると甘えたような口調になるのが特徴だ
そしてどんどんおかしな方向にいってしまう……
「野風の血って美味しいよね〜
肉も柔らかくて美味しそう……」
「………それはどうも💦」
「野風ほどの妖を喰べたら
強い力が得られるかなぁ?
なーなー」
そう言ってわたしに体を寄せてくる
「主様、キャラ崩壊し過ぎです
一門の者に見せられないですよ〜」
「ん〜〜…?だってさ…」
体を寄せ、わたしを後ろから抱き締めてくる主様は
もはや甘えん坊キャラのようだ……
「…………だって、疲れたし
的場様〜…
て男に言われても嬉しくねぇー」
確かに、頭首としてずっと振る舞っているのは大変だろう……
だからと言って……
「ちょっとだらしがないですよ💦」
「んーー…… お腹すいた…」
がぶっ…と、わたしの首筋に噛みつく
「…っ…!…主様っ
お腹すいたなら、普通にご飯を食べて下さい〜💦」
「野風のさぁ……
腕1本とか、だめ?
てか野風って腕とか失っても再生できるの??」
「……………💦」
結構本気だな… この人……
喰べるとは、決して「わたしを召し上がれ」とか言って情事に発展する甘い展開ではなくて………
「妖の肉など食べて、お腹壊したらどうするんですか?」
「人が妖の肉を食べた事例はあるだろ?」
「まぁ…… 有名なのは人魚ですけど……」
「………………魚かぁ」
人魚を魚扱いするなんて……
「……俺は肉が食べたい…
野風の肉は柔らかいとおもうんだ…
乳呑み仔牛肉みたいな……」
「高級食材に例えられて、嬉しいような嬉しくないような……💦」
主様は持論を続ける……
「食べてさー………
野風とひとつになりたい」
このスイッチが入ると、最後はいつもここに行き着く……
「相手の血肉を食べてひとつになりたいという… その精神、わたしには理解し難いです」
わたしの言葉は露知らず……
主様はわたしの首筋や腕に吸い付いたり、噛みついたり
やりたい放題だ…
「……腕1本…」
「ダメですー…
再生できたとしても、わたし痛みは感じるので」
「え、再生できるの?」
……余計なことを言ったと、少し後悔した
「右かなぁ… 左かなぁ…」
そう言って、わたしの着物を
肩まで下げる……
「主様…っ」
こうなるとキリがないので……
「…主様………
めっ!
いい子にして下さい」
「……………」
………いつもなら
「誰に口聞いてんだ」みたいに言ってくるのだけど
「………もういい
寝る……」
ぁ、すねた……
意外と扱いやすいかも…?
「………主様?
お腹すいてるのでしたら、何かお夜食お持ちしましょうか?」
「ん……」
「屋敷の者に聞いてきますね」
そう言って、主様の側を離れた
(何きっかけで、あのスイッチが入るのか
いまいちわからないんだよなぁ…💦)
ホントに、喰べたいのだろうか…
(ひとつになりたい、か……
言ってることは可愛いんだけどなぁ)
ーーーーーーーーー
「お待たせしました
………主様?」
少しして、夜食を持って部屋に戻ると……
「…………寝てるw」
さっきの場所で、そのまま寝ている
わたしの主がいた
「よっぽどお疲れだったんですね」
近くにあったブランケットをかけ
髪の毛を、そっと撫でる
(疲れがたまると、あのスイッチがはいるのかなぁ?)
キャラが違いすぎてびっくりするが
あれはあれで可愛い……
「お仕事、頑張ってるみたいですし
今度何かご褒美、さしあげなくては…」
妖のわたしに比べたら
はるかに若いうえに、人間の中でもまだまだ若い彼の寝顔には
まだあどけなさが残っている
それなのに、彼が背負っているものは……
彼に、そっとキスをした……
ーーーーー
翌朝
「いってらっしゃいませ、主様」
「ん…… いってくる」
祓い人の正装に身を包み
仕事へと向かう彼を
屋敷の前で見送る
(キャラ戻ってる………)
一門の者を従え、颯爽と仕事に向かう彼は
昨日とは大違いだ
「そうだ、野風………」
急に主様がわたしのところまで戻ってきた
そして耳元で
小さくささやく
「……………ご褒美、期待してる」
「………っぁ、起きて…?💦」
ニヤリと、彼が笑った
すっかりSキャラご主人様だ……
でも、どんなキャラだって構わない
わたしがいつも願うのは……
「……主様、必ず帰ってきて下さいね
じゃないとご褒美も何もないですよ」
祓い人の仕事は、命に関わることがある
わたしの言葉に、彼は何も言わず
優しく頭を撫でてくれた
そして車に乗り込み、行ってしまった
ただ待つのも結構辛いものだ………
ーーーーー
3日後
主様が仕事から戻られた
が………
「なーなー野風〜
なぁなぁー」
(また変なスイッチ入ってる!😨)
「ご褒美は??」
〜fin〜