彩月視点

ーーアガシャちゃんと買い物に来ていた。お世話になってるお兄ちゃんとセージに、プレゼントをしたくて買いに来たんだけど。てか、付いてきてるのよね。

彩月「ーーはぁ…」

アガシャ「どうしました??彩月さん」

彩月「今夜は蟹料理にしようかなって思ってね」

なんて言うのは置いといて、どうしようかな…。買った物は見られてないから、良いとして。ぇ??買った中身??中身はね、お揃いのマグカップ。無難じゃない??私とマニゴルドのお揃い。セージとハクレイにも、今度送らなきゃね。

彩月「アガシャちゃん、そろそろ帰ろうか。おじ様に早く渡してあげよう。私も迎えが来てるから帰らないと」

アガシャ「そうなんですか??今日はありがとうございました。また、一緒に出掛けてくださいね」


そう言い、アガシャちゃんは帰っていった。

彩月「ーー出てきたら??お兄ちゃん。居るのはわかってるんだから」

マニゴルド「気付いてたのか。いつからだ??」

彩月「お昼過ぎだったかな??小宇宙は気付かなかったけど、鏡越しにね。チラッと見えたの。なんで付いてきてたの??アガシャちゃんと出掛けるって、言ってあったよね??」

拗ねたように頬を膨らませながら言うと、お兄ちゃんは私の頭をぽんぽんと優しく撫でる。

マニゴルド「いやぁ、そうだけどな。お前、男に良くナンパされたりすんだろ??それが心配なんだよ」

…口に出して心配って、そう言ってくれたのよね??…ふふっ、お兄ちゃんてば面白い。

彩月「私をナンパするのはただの物好きよ。アルバフィカくらいの美人ならわかるけど。私はないわ」

マニゴルド「ーーお前も美人だっつの」

大きな物音に遮られ、お兄ちゃんがなんて言ったか聞き取れなかった。

彩月「ねぇ、お兄ちゃん。なんて言ったの??教えて??」

マニゴルド「…なんも言ってねぇよ」

彩月「嘘だぁ。唇動いてたもん。なんか言ったでしょ??さっきの物音がなかったら聞こえたのに…」

拗ねる私の頭を優しく撫でるお兄ちゃん。ーー子供じゃないんだからね??わかってるのかな??

マニゴルド「今日の飯はなにすんだ??」

彩月「蟹料理。買って帰るよ」

マニゴルド「へいへい」

お兄ちゃんの腕に自分の腕を絡め、歩き出す。周りから視線を集めるお兄ちゃん。モテるねぇ。

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(お兄ちゃん、見られてるよ??)
(俺だけじゃなくて、彩月もな)