彩月視点

ーーハクレイに会ったのには驚いたけど、迎えがまだもう少し先で良かった。だって、シジフォスが迎えに来なければ、運命の輪が廻らない。シジフォスが来て、やっと本編に繋がって来るのだから。

彩月「ーーあの、離して貰えますか??」

私は今、変な人たち(５人)に絶賛絡まれ中です。周りの人たちを見ても、見てみぬ振り。うわぁ、殴りてぇ。と言うか、アローンとサーシャが離れた所でおろおろしている。良かった、絡まれてるのが私だけで。

アローン「あのっ‼彼女を離して貰えませんか‼」

彩月「アローン、駄目っ‼」

「あぁん??んだ、このガキ。邪魔すんなよ‼」

そう言い、アローンを殴る男。

サーシャ「アローン兄さん!!??」

「へっ、邪魔すっから痛い目みんだよ」

ーー私の中でなにかが切れる音がした。笑顔をピタッと張り付け。

彩月「ーーなよ…」

「あぁ??なんつった??聞こえねぇな」

彩月「ふざけんなよって言ったんですよ、このゴミ虫野郎共。貴方たち、それでも男ですか??下もちゃんと付いてますよね??よくも私の大事な嫁をいたぶってくれましたね…。下半身を永久的に不能にしてあげますから。覚悟は良いですか??まず手始めに、そうですね…。ーー歯を食いしばれ??」

それはもう、女神のように素晴らしい笑顔を張り付けた鬼が其処に居たと、後日誰か(見ていた町民)から聞いた。パンチや回し蹴りと踵落としを食らわせてやり、アローンを殴った張本人には、下半身を蹴りあげてやった。←

彩月「ーーほら、私も捕まって苛々してたじゃない??だから…ね??」

アローン「…スッキリしたんじゃないですか??」

彩月「…はい、もうかなり。でも、暴力は駄目ですよね。ゴメンなさい。アローンが殴られたと思ったら、切れちゃったの」

私が俯きそう言うと、何故か笑われてしまった。あれ、笑われる所だっけ??

アローン「…手、痛くないですか??」

彩月「アローンが殴られた痛みよりマシよ。殴られる前に助けられなくてゴメンね」

謝らないでくださいと言われてしまった。いや、謝らなきゃ旦那失格だもんな。嫁の窮地(??)を救えなかったのだから。

彩月「暴力で解決しようとしちゃいけないのはわかってるんだけど、身体が勝手に動いちゃったのよね。次からは極力気を付けます」

気を付けると言うか、ナンパされたとしたら瞬間的に気絶させちゃえば面倒にはならないよね♪←

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(一発で効果的なのは鳩尾かな…)
(…彩月さん、なんか物騒な事考えてません??)
(あぁ、気のせい気のせい。首の付け根辺りも効果的か…)