彩月視点

ーーアスプロスやデフテロスだけでなく。サーシャやセージにまで届いていたと後から聞かされ、穴があったら入りたいなと本気で思った。もしかしたら、私が知り合った聖闘士全員に届いてたのかも。

彩月「いやーっ!!恥ずかしいっ!!恥ずかしい以外の何者でもない!!いつもは１番しか歌わないちのに。フルサイズとか…」

??『透き通った良い声だった』

まるで、私の心を見透かしたように誰かが話し掛けてきた。…この声は、アスミタ??

彩月「…珍しいじゃない。殆ど瞑想しているだけなのに。私に話し掛けてくるなんて」

アスミタ『貴女の歌が小宇宙に乗って私の所にも届いたのだ。それで、少し話してみようと思ってな』

珍しい。…そう思う事こそ珍しい。

彩月「なにか聞きたい事でもあったのかしら??」

アスミタ『…貴女のその小宇宙に関してだが、なにか知っている事は??』

彩月「別になにも。使えるようになって数年しか経ってないし」

この世界に来て満喫しているけど、そろそろ聖戦に備えて準備しなければ。アスプロスもだけど、シオンもか。ジャミールに魔星が現れるからって事で行くのよね。所謂ユズリハ外伝。トクサの話か。

彩月「ーー準備しなきゃいけないから切るわね。近々遊びに行くわ」

アスミタ『わかった、待っている』

ーークロノスにも聞かなきゃならない事がある。私の小宇宙が大きくなってきているのもそうだけど、タナトスの事も聞きたいのに来やがらない。

彩月「サーシャに呼んで貰おう。最終手段よね」

洗濯物乾いたかしら??取り込みに行かなきゃ。

彩月「うん、良く乾いてる。天気が良かったから良い感じ。さて、畳んで片付けなきゃ」

あら??今テネオの声が聞こえたような…??居たら可哀想だから急がなきゃ。

彩月「ーーあぁ、やっぱり居たのね。待たせてゴメンなさい。どうしたの??」

テネオ「アルデバラン様に頼まれて、持ってきました」

大きめな箱に入っていたのは野菜や果物だった。…またこんなに貰っちゃったわ。なにかお礼しないと。

彩月「そうだ、昨日アップルパイを焼いたの。持ってくるから、皆で分けて??」

箱に入れて手渡すと、ありがとうございますと律儀なテネオ。此方こそ色々貰っているからこんなもので申し訳ないくらいなのに。

→

(今帰った。…甘い香りがするな)
(お帰りなさい、アスプロス。今調度アップルパイを切ったの。一緒にどう??)
(いただこう)