彩月視点

ーー夕方までマニゴルドと街を回り、夕飯を皆で食べて他愛ない話をしながら寝た。…そして、今日。私は少ない荷物を持ち、孤児院を去るのだ。

彩月「ーーそれじゃあ、行ってきます」

アンナ「彩月さん、気を付けて」

テンマ「なんかあったら言ってこいよな!!」

アローン「ーー行ってらっしゃい、彩月さん」

皆に手を振り、街に続く門の所まで来るとマニゴルドが待っていた。

彩月「レストランで待っててくれたら良かったのに」

マニゴルド「…血が繋がってねぇとは言え、今まで一緒に暮らしてた家族なんだ。彩月の事だから泣いてんじゃねぇかと思って見に来て正解だ」

つうっと涙が頬を伝う。…マニゴルドって、こんなに優しかったっけ??

マニゴルド「ーーこれなら、顔は見えねぇから良いだろ」

グイッと引き寄せられ、マニゴルドの腕の中に収まる。小さくありがとうと答え、服をキュッと掴み嗚咽を我慢しながら泣く。抱き締めてくれるマニゴルドの体温が優しくて、余計に涙が溢れてきた。

彩月「ーーありがとう、もう平気だから」

うわぁ、兄貴くらいにしか思ってなかったのに、めっちゃ照れるっ。

マニゴルド「気にすんな。行けるか??」

彩月「大丈夫。でも、どうやって聖域に行くの??テレポート…じゃないわよね。歩いて??」

マニゴルド「いや、一応隣街まで
行けばシオン…牡羊座の聖闘士が待ってんだ。そいつと一緒に跳ぶつもりなんだが」

マニゴルドだけじゃなくてシオンまで居たとは。嬉しい誤算だ♪レストランに行き改めて挨拶をし、軽めの朝食を採って歩き出す。マニゴルドが私のペースで歩いてくれるから、そんなに疲れは見えず、隣街まで来られた。隣街に入って暫く歩いた所の宿屋にシオンが居るそうで、迎えに行く事に。マニゴルド曰く、小宇宙通信をしたら宿屋で休んでいると返ってきたらしい。私は外で待つから
と言うと、シオンに出てくるよう言ったみたい。少しすると聖衣箱を持ったシオンが出てきた。

シオン「初めまして、私は牡羊座のシオン。貴女が、桜小路 彩月か??」

彩月「初めまして、シオン。マニゴルドにはちゃんと自己紹介してなかったわね。あの時名前だけ言ったのよね、確か」

街をぶらっと周る時に言っただけだった。ちゃんと自己紹介し直し、人気の居ない所でロドリオ村付近までテレポートするらしい。

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(私も使えるようになりたいな)
(テレポートか。サイコキネシスを使えるようになるにはかなり修行を積まねぇとな)
(向き不向きもあるがな)