彩月視点

ーーサーシャが聖域に行って、もう１年近く経つ。アローンもテンマも１２歳。私はどうしたら良いのかしら。

彩月「ーーかなり萌えた毎日だけど、そろそろ迎えが来るかしら??」

今日は休みを貰っているから良いけど。頼んだ通り、マニゴルドが迎えに来ないかな??十二宮を駆けるためにこの世界に来たんだから。…でも、予想以上にアローンに情がわいちゃってるのも確かなのよね。嫁だし。まぁ、来るのはマニゴルド以外でも別に良いけど。…レグルス来たら嬉しいかも。

アローン「彩月さん、大聖堂まで行くんですが…一緒に行きませんか??」

彩月「良いわよ。私も行きたい気分だし。アローンが絵を描いている所を見るのも好きだから」

ニコッと笑うと少し照れ臭そうにし、二人で森の大聖堂に向かう。ーーサーシャが聖域に行ってから、アローンと二人で過ごす事が増えてきた。テンマやアンナたちも一緒の時もあるけど、二人の時間の方が少なからず多い。

彩月「ーーこんなに距離があったのね。来た当初はこんなに距離があったとは」

疲れたけど、大聖堂に来た途端にホッとした。…外見を見ていると神父様らしき人が出てきた。その人の顔を見て驚いた。だって双子神の片割れだったのだから。なんで??まだ先なんじゃないの??

彩月「ーー………」

??「…これは綺麗なお嬢さんだ。お名前をお伺いしても??」

彩月「…桜小路 彩月です。神父様」

展開が早すぎてどうなっているのかわかんない…。っ、もうひとつ、大きな小宇宙を感じる。まさか、もう片方も??

彩月「…アローン、私神父様と話がしたいの。込み入った話だから、少し席を外して貰って良いかしら??」

アローンは頷き、森の中に絵を描きに行った。それを見送り、私は神父様に声を掛けた。

彩月「…彼を見に来たの??ーータナトス」

喉の奥でくつくつと笑いだした彼は、金髪から綺麗な漆黒の髪に戻っていく。

タナトス「ーー貴女様に一目会いたく、参上したまでの事です」

彩月「…意味がわからないわ。私は人であっても神ではないのだから。塵芥同然の者に会いに来るとは、変わっているわね」

??「ーータナトスが変わり者ならば、私もそうなのでしょうね」

奥から出てきたのは本物のヒュプノスだった。…だから何故??

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(私に会いに来ても得しないわよ。つか、さっき様付けた??)
(ほぅ…。まだ目覚めてはおられない様子)
(確かに。…小宇宙が少し不安定だ。けれど、これならば…)