僕が君の手を握り返したのは、
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
セージside
ーー彼女を見ていると、昔を思い出す。二百数十年前の聖戦で居なくなった彼女に似ているのだ。纏っている雰囲気が。仕種や姿・名前までも。まるでそのまま生き返ったかのように。だからこそ、また居なくなるのではないかと不安が募るのだ。
亜夜「セージ、聞いてよ。マニゴルドがね‼」
彼女は最近、弟子のマニゴルドと仲が良いらしい。気が合うのか、たまに一緒に居るのを見掛ける。女官たちの間では、二人は付き合っているのではないかと言う噂まで流れた程に。本人たちに確認すると、"ない"と言う始末。ホッとするような複雑なような感情が支配したのを覚えている。二人はお互いを兄妹のように思っているのだと教えてくれた。
亜夜「落ち着きがねぇと彼氏所か、嫁の貰い手がねぇとかほざきやがったのよ??信じられる??さっき、積尸気冥界波で送ってやったけど。その内帰ってくるんじゃないかしら。…ギャラクシアンエクスプロージョンかアナザーディメイションでも喰らわせてやれば良かったのかも」
なにやら物騒な単語が聞こえたが聞かなかった事にしておこう。それにしてもーーなんて事を言っているのだ、マニゴルドよ。苦笑しながら頭を撫でると、自分を落ち着かせるように小さく深呼吸をする。
セージ「あれには私から言っておこう。不快な思いをさせて申し訳ない」
亜夜「…セージが謝る必要はないわ。ーーそれより、今少し時間ある??一緒にお茶をしたいなと思って来たのだけど」
片手に彼女の手作りであろうお菓子を持っている。女官にお茶を頼み、書類を少し片付ける。
亜夜「邪魔しに来ちゃったみたいで、ゴメンなさい。でも、どんなに忙しくてもセージとのお茶の時間だけはしたくて。…サーシャはアテナ神殿で潔斎に入っているのよね。セージと二人の時間なんて、久し振りじゃない??」
嬉しそうに語る彼女に釣られ、私まで笑ってしまう。…彼女と居ると、どうも調子が狂う。
セージ「そうですな。貴女とこうやってゆっくり話すのはしばらくぶり…」
マニゴルド『…お師匠、其処に亜夜は居るか??』
小宇宙通信で話し掛けてきたのはマニゴルドだ。確か、彼女に冥界へ送られたのではなかったか。彼女は女官が持ってきたお茶を楽しんでいる所を見ると、これは私にだけ繋がれた物だとわかる。
セージ『居るが、どうかしたのか??』
マニゴルド『なら良い。あんたが最近元気がないって心配していたからな。俺をだしに会いに行っているだろうと思ってね』
それを聞き少なからず驚いた。気付かれないようしていたつもりだが、どんな事でも敏感な彼女は気づいてしまっていたのか。昔を思い出し、不安になっていた私の心に。マニゴルドとの小宇宙通信を強制的に切り、彼女を見る。
セージ「…マニゴルドから聞きました。私を心配してくださって居たと」
そう話すと、顔を真っ赤にし俯いてしまう。
亜夜「マニゴルドの馬鹿。ばらすなんて」
セージ「…少し、感傷に浸っていただけですよ。お気になさいますな」
私の言葉に苦笑で返し、首を左右に振る。そして、机の上に置かれていた私の右手を両手でギュッと握る。
亜夜「私はさ、この世界から見たら異端者だから。セージの悩みを聞いても解決出来る確率は限りなく少ない。でもね、一緒に居る事は出来るのよ??」
彼女に握られた手を、私もそっと握り返す。不安が少しばかり和らいだように思う。私はなにを不安に思っていたのだろうか。亜夜はーー彼女とは違うのだ。そう思った瞬間、心の奥で燻っていた感情の正体に気付いた。
…まさか、この年でこのような気持ちになるとは。不安とはまた暫く付き合わねばならないようだな。
ーー彼女を見ていると、昔を思い出す。二百数十年前の聖戦で居なくなった彼女に似ているのだ。纏っている雰囲気が。仕種や姿・名前までも。まるでそのまま生き返ったかのように。だからこそ、また居なくなるのではないかと不安が募るのだ。
亜夜「セージ、聞いてよ。マニゴルドがね‼」
彼女は最近、弟子のマニゴルドと仲が良いらしい。気が合うのか、たまに一緒に居るのを見掛ける。女官たちの間では、二人は付き合っているのではないかと言う噂まで流れた程に。本人たちに確認すると、"ない"と言う始末。ホッとするような複雑なような感情が支配したのを覚えている。二人はお互いを兄妹のように思っているのだと教えてくれた。
亜夜「落ち着きがねぇと彼氏所か、嫁の貰い手がねぇとかほざきやがったのよ??信じられる??さっき、積尸気冥界波で送ってやったけど。その内帰ってくるんじゃないかしら。…ギャラクシアンエクスプロージョンかアナザーディメイションでも喰らわせてやれば良かったのかも」
なにやら物騒な単語が聞こえたが聞かなかった事にしておこう。それにしてもーーなんて事を言っているのだ、マニゴルドよ。苦笑しながら頭を撫でると、自分を落ち着かせるように小さく深呼吸をする。
セージ「あれには私から言っておこう。不快な思いをさせて申し訳ない」
亜夜「…セージが謝る必要はないわ。ーーそれより、今少し時間ある??一緒にお茶をしたいなと思って来たのだけど」
片手に彼女の手作りであろうお菓子を持っている。女官にお茶を頼み、書類を少し片付ける。
亜夜「邪魔しに来ちゃったみたいで、ゴメンなさい。でも、どんなに忙しくてもセージとのお茶の時間だけはしたくて。…サーシャはアテナ神殿で潔斎に入っているのよね。セージと二人の時間なんて、久し振りじゃない??」
嬉しそうに語る彼女に釣られ、私まで笑ってしまう。…彼女と居ると、どうも調子が狂う。
セージ「そうですな。貴女とこうやってゆっくり話すのはしばらくぶり…」
マニゴルド『…お師匠、其処に亜夜は居るか??』
小宇宙通信で話し掛けてきたのはマニゴルドだ。確か、彼女に冥界へ送られたのではなかったか。彼女は女官が持ってきたお茶を楽しんでいる所を見ると、これは私にだけ繋がれた物だとわかる。
セージ『居るが、どうかしたのか??』
マニゴルド『なら良い。あんたが最近元気がないって心配していたからな。俺をだしに会いに行っているだろうと思ってね』
それを聞き少なからず驚いた。気付かれないようしていたつもりだが、どんな事でも敏感な彼女は気づいてしまっていたのか。昔を思い出し、不安になっていた私の心に。マニゴルドとの小宇宙通信を強制的に切り、彼女を見る。
セージ「…マニゴルドから聞きました。私を心配してくださって居たと」
そう話すと、顔を真っ赤にし俯いてしまう。
亜夜「マニゴルドの馬鹿。ばらすなんて」
セージ「…少し、感傷に浸っていただけですよ。お気になさいますな」
私の言葉に苦笑で返し、首を左右に振る。そして、机の上に置かれていた私の右手を両手でギュッと握る。
亜夜「私はさ、この世界から見たら異端者だから。セージの悩みを聞いても解決出来る確率は限りなく少ない。でもね、一緒に居る事は出来るのよ??」
彼女に握られた手を、私もそっと握り返す。不安が少しばかり和らいだように思う。私はなにを不安に思っていたのだろうか。亜夜はーー彼女とは違うのだ。そう思った瞬間、心の奥で燻っていた感情の正体に気付いた。
…まさか、この年でこのような気持ちになるとは。不安とはまた暫く付き合わねばならないようだな。