社会人再会編
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「じゃあ、僕はこのあと蘭姉ちゃんたちと帰るね」
「え、もう行っちゃうの?」
園子ちゃんが名残惜しそうに言う。
コナンくんはちらりとこちらを見た。
「愛実さん、僕と蘭姉ちゃんこの上に住んでるんだ。だからここによく来るし、また会えたら話そうね」
「ふふ、ありがとうコナンくん」
その目が、どこか探るようだった。
(やっぱりこの子、ただの小学生じゃない)
「また話しましょうね!」
「うん、今日はありがとう」
扉が閉まると、店内は静かになった。
安室さんがカウンターでカップを拭いている。
いつの間にか私達だけ。
「いい子たちですね」
「えぇ。まっすぐで、羨ましいですよ」
「あなたも昔はそうでしたけど」
「そうでしたっけ?」
「ええ、顔だけは今と同じで素敵でした」
「また顔の話ですか」
「他に褒めるとこ、思い出せなくて?」
少し睨みあいをして、彼は笑った。
柔らかくて、でもどこか懐かしい笑みだった。
「ありがとうございました。またお越しください」
「……ええ。気が向いたら」
「ぜひ。そのときは、顔以外も褒めてもらえるよう頑張ります」
「それは、難しいかも」
「挑戦しがいがありますね」
軽口を交わしながらも、目の奥ではお互い何かを探り合っていた。けれど今は、“降谷零”と“中村愛実”ではなく、“安室透”と“客”でいるしかない。
「じゃあ、お先に失礼します」
「お気をつけて」
扉を押すと、夕暮れの風が頬を撫でた。街はオレンジ色に染まり、人の声と車の音が混ざり合う。その中に一瞬だけ、背後から聞こえた彼の声が重なった気がした。
喫茶ポアロの看板を振り返る。
(……再会なんて、望んでなかったのに)
足を止めると、遠くでサイレンが鳴った。
その音に、心の奥で何かがざわめく。
あの頃――警察学校で過ごした。
怒鳴り合って、笑って、そして約束をした日々。
“死ぬなよ。どうせなら、一緒に生き延びろ”“うるさい。お前こそ、勝手に死ぬな”思い出す声。
彼の、降谷零の声だ。
――過去なんて、終わったはずなのに。今になって、また胸の奥が熱く疼く。もう、私達しかいないよ、降谷。
