膝シリーズ
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「勝己どうしたの?」
「うるせぇ、ちょっと膝貸せや」
ソファに座りテレビを見ていれば勝己が横に座ったかと思えば膝に頭を乗せて来るものだから驚いた。膝を貸せと何とも勝己らしい言葉だが勝己が甘えてくるのがレアだし可愛いのでそのままにしておけばしばらくしてすぅっと寝息が聞こえてきた。
……おつかれだったらしい。
プロヒーローの彼は空いた時間に私の家に来てはすぐにヒーローの仕事へ出ていってしまう。多忙な彼はあまり休みもなく働いて、少しだけ空いた自分の時間に私に会いに来てくれるのだ。だから少しでも美味しいものを、と苦手だった料理を習いだした。
まぁ、勝己の方が上手なのだけど。
けれど、必ず全部食べてくれるのだ。
初めて作ったオムライスだって、「…ジャリジャリするけど、うめぇ」と、卵の殻が入った私が自分で食べても美味しいと言えない料理を食べてくれた。次こそもっと美味しく……と頑張るうちに、勝己が好きな辛い料理を作るのが得意になった。
「…次も作れ。うめぇ」
料理を作る度、短いけど必ず料理の感想と美味しいと言う言葉をくれる。ぶっきらぼうにではあるが、真っ直ぐに言葉で伝えてくれる彼は案外甘い人だ。
そんな彼が、こんな風に休んでいる姿が嬉しい。
「なぁに、1人でニヤニヤしてんだきめぇ」
「もう、酷いなぁ」
「で、何ニヤニヤしてたんだ?」
「ん?勝己と暮らしたら、こんな風に幸せなんだろうなぁって思って」
「ふん、当たり前だろーが。てめぇを幸せに出来るやつなんて、この世に俺しかいねぇんだよタコが」
「ふふっ、そうだね。じゃあ勝己を幸せに出来るのはこの世で私だけだね?」
「あ?んな当たり前の事聞いてんじゃねぇよアホが」
口を開けばアホとか馬鹿とか憎まれ口を叩く癖に、優しい顔と声があってませんけど?素直じゃない勝己にくすっと笑って、当たり前だと言ってくれたって事は、私といると幸せだと思ってくれているのが嬉しい。
「ねぇ、まだ膝枕しててもいい?」
「あ?」
「だって膝枕してたら勝己、仕事で呼び出されない限り私の傍にいてくれるでしょ?」
「んな事しねぇでもいるわボケ。……ったく」
チッと舌打ちしつつも起き上がる気配もなく、寝るっと言って大人しく私の膝にいる勝己。
しばらくすれば、また寝息が聞こえてきて少しだけ幼く見える寝顔に、子供のように体温が高くて少しだけ汗っかきの彼の温かさになんだか私まで眠くなってきた。
温かいぬくもりに私もそのまま目を閉じた。
何時間たったのだろう。
起きてみれば、膝枕していたはずなのに勝己とベッドで寝ていた。私が動いたのに気づいた勝己がまだ眠そうに目を開けたと思えば、まだ寝てろっとギュッと私を抱きしめてすーすーとまた眠りについた。私はドキドキとしながらも、嬉しくて私も勝己に抱きつくように擦り寄って勝己の胸の中で私はまた眠りについた。
「おやすみ、勝己」
愛しい君に愛を。
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