｢うふふ、遂に限定盤手に入れたぁ！｣

初回限定。

生産数たったの10個の超プレミアムフィギュアを手に私は1人やり遂げた歓声をあげた。ヒーロー事務所の上司に呆れられながらも有給を使い仕事を休み、これだけの為に北海道へ来て前日の朝から出待ちした私は自分でも呆れる程のヲタクである自覚はある。

部屋に溢れるグッズ達の仲間入りを果たすこのフィギュアはかつては私の同級生であり幼なじみ。今やトップヒーローの仲間入りを果たした爆豪勝己である。同級生が自分のグッズこんなに買い漁っていたらドン引きだろうなぁと自覚しながらもしっかりと本人にバレているし、開き直った。

因みに緑谷出久くんとも幼なじみで彼もオールマイトヲタクである為とても気持ちがよくわかるヲタク仲間で私のこの部屋を知っている数少ない1人である。

残念ながら｢僕、かっちゃんに殺されたくないから｣とここ数年遊びに来たことは無いし、ご飯に誘っても「ごめんね！かっちゃんがこわ…仕事が！仕事が忙しくて……」と言われて会えていない。

ヒーローヲタクで爆豪くんのカッコ良さを語りやすい同士だと言うのに……まぁ、緑谷くんと爆豪くんはライバルでもあるから僕もまけられないと頑張っているのかもしれない。ヒーローの仕事忙しいようだし。

緑谷くんのグッズも沢山出ているのだからそれ程人気であり多忙なのだろう。緑谷くんも大変だよね。

グッズ、買ってないけど。

爆豪くんグッズで溢れかえった部屋はありとあらゆるジャンルのものがあり、綺麗に飾って趣味部屋になった。この為にわざわざ引越しまでした私に母はドン引ききしていたし「そんなにグッズ集めなくても幼なじみなのだから本人ち会えばいいじゃない」なんて言われたがそれとこれとは話が別と言うものだ。

今まで何とも思っていなかったので普通に話していたし遊んだりしていたがヒーローとしての彼に憧れてしまってからは眩しすぎて同じ空気吸ってるだけで幸せなのだから、遠くから眺めるだけで充分なのだ。大体最近の爆豪くんは何？カッコ良さ爆発し過ぎじゃない？

このフィギュアなんて実物と同じ位リアルで、表情なんてブチ切れてビィランみたいになっている所が爆豪くんらしくて最高だし、ムスッとしていたり怒ってる所がまた好きだし。この間の激辛料理の食レポを顔色を変えるどころか美味しそうな顔で感想を言うものだからつられてエンデヴァーが食べて危うく火事になるところだったとこなんて神回だった。


まぁ何が言いたいかと言うと、だ。

遠くから眺めて応援したいだけなのに何故か最近本人が来るのだ。頻繁に。