瓶詰めこぼれ話
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雄英から送られてきた職場体験希望者リストに目を通す。今年は二人か。内一人が爆豪なのは予想通りといったところだがなまえまで私の事務所を希望したというのには少々驚いた。もっと効率的に長所を伸ばせる場所はあっただろうに。
彼女の選択に引っ掛かりながらもパソコンに向き合い改めて体育祭の映像を確認する。現状どちらも矯正のし甲斐はありそうだがさてどうしたものか。戦い方の癖や体の使い方等を一つ一つ書き留め体験内容を決定していく。
「……これは。」
個人戦でのなまえの表情。一度目を通しただけでは気づかなかったが常闇踏陰が相手になってから随分違って見える。逃げ腰から前のめりへと戦略も変化。ステージ修復の間に何かあったか。
「良い顔だ。」
素晴らしい傾向に思わず頬が緩んだ。直接話すのはタイフーンさんの葬式以来だがこちらにとっても実りある1週間になりそうだ。彼女に似合う髪留めを手配しておこう。
しかしまあなまえのことはそれ程心配していない。素直で呑み込みも早い彼女のことだ。少し訓練した程度ですぐコツを掴むだろう。
問題は爆豪だ。言動の端々から感じられる暴力的凶悪さ、最終戦で暴れ狂い強制的に眠らされ表彰式で猿轡をつけられている姿。今のところ矯正するべき箇所しかない。
唯我独尊、天上天下。人より秀でて生まれたが故に藻掻き苦しんでいる飢えた獣。しかしやる気も反骨精神も人一倍ある。奴にまず必要なのは、外を見ることだ。圧倒的な力の差を持った者から広い世界を学ばなければならない。
まだ孵化もできていないようなヒーローの卵たち。やるべきことは山ほどある。
このベストジーニストを選んだからには後悔させまいと、未来ある若人たちのこれからに腕が鳴った。