一章
設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
お昼ごはんに鯵の甘酢あんかけを食べていると、三年ろ組の三人が現れた。彼らは私の向かいに座り、自然と一緒に昼食を取る形になる。
「なまえさん、放課後って時間ありますか?」
「放課後?晩御飯までの時間だったら何とかなると思うよ。」
一限目のあと、午前中に掃除は終わらせてしまえた。書類の片づけも今日はそんなにないはずだ。私の返事を聞くと次屋くんは嬉しそうに目を細めた。
「やった、じゃあ裏裏山に探索に行きましょう。」
「薬草採りが優先だろ。」
どうやら保健委員で使う薬草の補充の為、三年生全員で三反田くんについて行くことになったらしい。途中で出会う野生動物の方に自分は興味があるのだと次屋くんが教えてくれる。
「裏裏山行ったことないから楽しみ。」
「運が良ければ色んな動物に会えるかもしれませんよ!」
「本当?」
「鹿とか猿とか、珍しい鳥もいるかもしれませんね。」
「孫兵が詳しいですよ。」
「伊賀崎くん?確か生物委員会なんだっけ。」
彼とはほとんど話したことがない。首に巻かれたジュンコさんといつも仲睦まじそうにしている姿は見かけるが、それ以外はまるで情報がなかった。
「そうです!虫や動物に関しての知識が豊富で、探索では一番頼りになりますよ。」
「そうなんだ。それは心強いね。」
得意げな左門くんは茄子の揚げびたしを大きな口で頬張った。
「それじゃあ放課後は門のところに集合でいいですかね。」
「了解。動きやすい恰好の方がいいかな?」
「あー、そうですね。袴とかの方がいいかもしれません。」
富松くんの返しに確か猪々子ちゃんに貸してもらっている袴があったなと思いだす。
「またなまえさんと手繋ぎたいです。」
「お前は調子に乗るな。すみませんみょうじさん。」
無自覚に口説いてくる次屋くんを富松くんが横から小突く。
「ふふ、いいよ。富松くん一人だと大変そうだし。」
何のことだかわからないといった表情の次屋くんと苦笑いの富松くんが対照的で面白い。
「本当は事務室まで僕がお迎えに上がりたいんですが!」
「お前らは頼むからじっとしててくれ……。」
二人の言葉に項垂れる富松くんがおかしくて思わず吹き出した。