一章
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「あれじゃないか?」
まだ煙が登っている焼け跡を鉢屋三郎が指さした。
「跡形もなくなってるなあ。あの様子じゃ生存者はいないんじゃないのか?」
「まあ一応確認しないと。今余裕あるの僕達ぐらいだし。」
五年ろ組は一足先に任務を終え、一時忍術学園に戻っていた。
状況整理の為報告を急ぐ者が多い中、手が空いている彼らは入れ替わりで生存者の確認を任されたのだった。
遠目からでもわかるほど城の被害は甚大で、およそ生きている人がいるとは思えなかった。
しかし城が近づくにつれ真っ黒な中から異質な色が浮かび上がってきた。
「あれ、女の子じゃないか……?」
まさか、と思った二人だったが八左ヱ門の視線の先には今にも倒れそうな少女がいた。
「なんだあの格好。」
見たことのない珍妙な服を纏っている。三郎は怪訝な表情を向けた。
「そんなこと気にしてる場合じゃないでしょ!大丈夫ですか!?」
雷蔵はその不思議な少女にいち早く駆け寄った。
朦朧としてきた意識の中で降ってきた声に、彼女は反射的に顔を上げた。
「あ、の……。」
「話せますか?今から安全な場所にお連れしますので私に掴まってください。」
「あ、私……。」
上手く言葉が出てこない。苦しそうに顔を歪ませる彼女に雷蔵はふわりと微笑んだ。
「もう大丈夫ですよ。安心してください。」
「ありがとう、ござ、いま、」
その柔らかい表情に気が緩んだのか、そこで意識を失った。