一章
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突然学園長先生に呼び出されたので何事かと思ったが、その内容は私にとって嬉しいものだった。
「交流会ですか?」
「そうじゃ。お主の体調も回復したようじゃし、親睦を深める意味も込めてたくさんの忍たまと交流してほしい。」
これは学園長先生のお心遣いだ。私がもっとこの場所に馴染めるように考えてくださったのだろう。
「忍たまの方から誘いがあるじゃろうから、お主はそれを受け入れてやってくれんかの。」
「勿論です。しかしそれはみんなに気を遣わせてしまうといいますか……迷惑ではないでしょうか。」
みんなの気持ちを無視して無理やり交流させてしまうことになるのではないかと不安だった。ここにいる人たちはみんな優しい。だからこそ彼らの本当の気持ちを蔑ろにしたくない。
「その心配性なところは変わらんのう。そこがお主の長所でもあるが。」
学園長先生はふむ、と考える素振りをしながら私を見据えた。
「お主を間者だと思い酷い態度をとった忍たま達は皆後悔しているように見える。彼らは自身の後ろめたさからお主に近づけずにいるのじゃ。」
「それは……。」
気づいていたことだった。図書室で話す時能勢くんは気まずそうにしているし、一年生の中で唯一い組の子たちは私のことを遠巻きに見ている。
「お主も彼らが近づいて来ん以上、自分から踏み込むことはできんと考えておるじゃろう。」
「……図星です。」
一緒にいることで彼らに暗い顔をさせてしまうことが怖くて、私は仲良くなるタイミングを掴めずにいた。お互い相手の出方を探っている、そんな状態だった。
「こういう荒療治もたまには必要じゃ。それにここにはお主との交流を迷惑だと思うような輩はもうおらんよ。」
「……そうだと嬉しいです。」
甘えてみてもいいだろうか。せっかくのみんなと距離が近づくチャンスを、私もふいにはしたくなかった。
「それでは、お主はただ待っておいたらよい。実りある時間になることを儂も願っとるよ。」
「ありがとうございます。みんながどう誘ってくれるのか楽しみです。」
学園長先生が深く頷く。
もっとみんなのことをよく知りたい。もっと仲良くなりたい。
いずれ来るであろうその時を思い浮かべ、私は期待に胸を膨らませた。