二章
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一休みを済ませるともう夕方。なまえさんとおばちゃんの買い出しも無事完了したみたいだし無料で俺の腹も膨れたし。そろそろ出発しようと甘味処の暖簾をくぐり未だ混雑のおさまらない通りを歩く。つうかさっきより人増えてねえ?
「お団子すごく美味しかったです!」
「ここの餡子は絶品なのよ。」
甘いもの好きのなまえさんがにこにこと味の感想を口にする。おばちゃんはというと学園長のお土産と称してちゃっかり自分の団子まで買っていて俺のドケチ魂と良い勝負だった。
「……何かすーごい曇ってきてません?」
「本当だ、夜みたいに暗いね。帰るまで雨降らないと良いけど……。」
ふと上を見上げれば朝から只でさえどんよりしてた空がさらに重さを増している。こりゃ早いとこ帰っちまった方が賢いな。そう思ってなまえさんの手を引こうとしたその時近くで怪しい影がちらついた。
「あれは……。」
ドクタケ忍者?何でまたこんなところに。ったく性懲りもなく悪さしに来たんじゃねえだろうな。
「……おばちゃん、なまえさん。買ったもん盗られねえよう気つけてくだ、うわっ!」
二人に注意しつつ視線でそいつの行き先を追ってると突然群衆が押し寄せた。どうやら三軒先で大幅値引きが始まったみたいだ。嘘だろ。次から次へと傍を過ぎ去っていく人達が邪魔で惜しくもドクタケ忍者を見失ってしまう。
「くそ、」
「はぁ……やれやれ、やっと収まったね。」
「はい、おばちゃん大丈夫?」
「私は何とかね。」
ようやく周りに誰もいなくなっておばちゃんと一緒に息を吐く。本当今日の混み具合は何だってんだ。俺達はまだ慣れてるから良いけどなまえさんは町に来んの二回目なのに、ってそうだ安否確認。
「なまえさん、怪我とかないっすか?」
くるりと後ろを振り向いた瞬間息が止まる。まるで想像していなかった光景に指の先すら動かせなかった。
何で。たった今まで隣で笑ってくれていたその人が、どれだけ辺りを見渡してもいない。
「……なまえさん?」
呼んだ名前は湿った空気に搔き消されて届かない。ぽつり、と降ってきた雫が頬に伝った。