一章
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「わかりました。不安にさせてしまって申し訳なかった。これからは力になります。何でも仰ってください。」
どうやら認めてもらえたらしい。ここに来て初めて自分自身を見てもらえたような気がして、急に目頭が熱くなった。
泣いてはいけない。ぐっと堪えてなるべく落ち着いた声でお礼を言った。
「本当に、ありがとう。私もまだよくわからなくて……。落ち着いたらまた相談させてほしい。この時代のこともたくさん教えてくれたら嬉しい。」
立花くんは先程の綺麗な笑顔ではなく、幾分か人間らしい表情で笑った。
「勿論何なりと。しかし私みたいな者ばかりではありません。この学園は忍びの学園、あなたを間者だと思い危害を加える者もいるかもしれない。十分に気をつけて、何かあったら私を呼んでください。」
「ありがとう。覚悟はしてるつもり。私が怪しすぎるだけだからその人達を責めることはできないけど、立花くんのことは遠慮なく頼らせてもらうね。」
「はい、私の学友にも貴方をよく思っていない者はいます。常に警戒していてください。それでは、夜分に申し訳ありませんでした。」
「あっ…」
もう一度お礼を言おうと口を開いたがすでに部屋の中に彼の姿はなかった。夢であったのかと一瞬考えたが手には彼の熱が残っていた。端正で涼しげな顔とは対称的に、その熱は優しく私の心を灯していた。
月明かりが眩しい静かな夜だった。