個性把握テスト
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結果的に言えば除籍は嘘だった。合理的虚偽だそうだ。消太くんらしい。八百万さんは初めから気づいてたみたい。賢い。
あのあとも爆豪くんが緑谷くんに掴みかかろうとしたり、そんな爆豪くんを消太くんが捕縛したりと大変だった。緑谷くんと爆豪くんは何か因縁でもあるのかな。知り合いっぽいけど。
とりあえず体力テストも3位とれたからいいか。推薦組には及ばなかったけどまずまずだ。やっぱ焦凍くんすごい。
「最後に、みょうじ。話があるから残っておけ。他は解散。」
「え、はい。」
消太くんから謎の呼び出し。初日からみんなの前で呼び出さないでほしい。周りの何で?みたいな視線が痛い。いや私も何で?
「……どういったご用件でしょうか。」
「ああ、悪いな。わかってると思うが一応確認だ。俺とお前は知り合いだがここは学校だ。」
「呼び方とか、敬語の話……ですか。」
「そういうことだ。学校に関わる場面では先生と呼べ。俺もみょうじと呼ぶ。」
「承知してます。」
「だろうな。……背伸びたか?」
「おじさんみたい。」
「高校生から見たら十分おじさんだ。」
少しむっとした消太くんに思わず笑ってしまう。
「相澤先生、初日から呼び出しはやめてください。目立つ。」
「……悪かった。お前ももう帰っていい。」
「扱い雑だなあ。山田先生に言いつけますよ。」
「山田先生はうけるな。」
「私も自分で言っててうけました。」
消太くんが笑った。レアだ。この前会ったのは父の葬式の時だから、呼び方の確認とかは口実で気を遣ってくれたんだろうな。昔からずっと優しい。
丁寧に失礼しますと言って消太くんと別れた。いやーちゃんと先生やってるんだなあ。すごい。
着替えて教室に戻ると何人か待ってくれていた。
「呼び出し終わった?」
「うん。ごめん待たせちゃってた?」
「いんや俺らが勝手に待ってただけよ。」
教室にいたのは響香、瀬呂くん、上鳴くん、あと赤い髪の男の子。
「切島鋭児郎だ、よろしくな!」
「みょうじなまえです。よろしくね。」
「体力テストのみょうじ、ガッツすごかったな!かっけーぜ。」
「や、そんな。みんなすごかったよ。」
切島くん、ザ・爽やか。笑顔が眩しい。
帰る準備ができたためみんなで家路につく。私の家は雄英の近所なのでそんなに一緒にいられない。寂しいなあ。
「呼び出し何だったの?」
「えーと最近どう?みたいな感じかな。すぐ終わったよ。」
「ブハッ、なにそれ。」
あ、響香にうけた。よかった。消太くんと知り合いなの多分言わない方がいいよなあと思ったけどろくな誤魔化し方ができなかった。どうしよう。
「なあみょうじさあ、聞いていい?」
「ちょっと上鳴!」
「配慮。」
「いやでも気になるじゃん。」
上鳴くんが響香と瀬呂くんにチョップをもらった。何かみんなもじもじしてると思ったらやっぱりそれか。そりゃ名字一緒だし気になるよね。口には出さないけれど切島くんも興味はあるようだった。
「えーと、あの、娘です。タイフーンの。」
「あ、やっぱり?」
No.4ヒーローの死はニュースでも取り上げられていたのでクラスのみんなも知っているだろう。事件もそこそこ大きいものだったし。本人から切り出されるとは思ってなかったのか若干みんな驚いてる。
「全然隠してるわけじゃないし、引きずってずっと落ち込んでるとかでもないの。だから普通に接してほしい。気遣わせちゃってごめんね。」
「いやいやこっちこそ踏み込んだこと聞いてごめん!」
あわあわと慌て始めた上鳴くんに気にしないでと笑う。この半年周りはやり過ぎなくらい気を遣ってくれていたけれど、実際本当に気にしなくて良いのだ。腫れ物みたいに扱われるよりフランクに接してもらった方がずっと良い。
少し重い空気になっていたためか、明るい態度を見せた私にみんなどこかほっとした様子だった。
「じゃあ私家こっちだからここで。」
「送ってかなくて平気?」
「すぐだから大丈夫。ありがとね。」
「んじゃまた明日なー!」
みんなとバイバイしてそのまま家に帰る。今日は疲れちゃったし冷蔵庫にあるもの温めて食べよう。作り置きしといてよかった。予習する元気あるかな。
みんないい人だったな。下の名前で呼び合う友達までできた。爆豪くんは怖かったけど。緑谷くん指折ってたけど。
初日から色々起こりすぎな気もする。それでも少し明日が待ち遠しかった。
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