期末テスト
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「ハイ私が来た。ってな感じでやっていくわけだけどもね。ハイヒーロー基礎学ね!久しぶりだ少年少女!元気か!?」
オールマイト、テンションの持っていき方どうなってるんだろう。疲れてるのかな。
「職場体験直後ってことで今回は遊びの要素を含めた救助訓練レースだ‼」
複雑に入り組んだ迷路のような細道が続く密集工業地帯を模している、運動場γ。ここで5人4組に分かれて1組ずつ訓練を行うらしい。うちのクラスは奇数だから1組は6人になるけど。
オールマイトがどこかで救難信号を出す、それがスタートの合図だ。私たちは街の外から一斉に動き出し、オールマイトを1番先に助けた人の勝ち。みんなで競争だ。ちょっと燃えるかも。
初めの組は緑谷くん、尾白くん、飯田くん、三奈ちゃん、瀬呂くん、そして私だ。
これはかなり瀬呂くん有利だなあ。機動力抜群だし。飯田くんもなかなか強敵だ。
私のいつもの作戦は、空中に飛んでオールマイトの位置を把握し、追い風を足しながら空気の足場を作って移動していくやり方。でもこれだと圧倒的に加速は難しい。空中まで上がっている間にみんなにどんどん抜かれてしまうだろう。初速が遅いというのは救助においてもあまりに足枷だ。
でも、今の私は以前とは違う。
オールマイトの合図をスタート地点で待つ。深呼吸。大丈夫だ、訓練通り。腕を自分の後ろに向ける。
「START‼」
合図とともに一気に後ろに向かって空気を打つ。一直線のイメージ。威力が上がった自分の風力で、体はあり得ないくらい速く前へと跳んだ。
両腕で交互に一直線の風を打ちながら、細いパイプや建物の上を移動していく。爆豪くんの空中スタイルだ。若干足元がぐらつくけど何とか落ちないように踏ん張る。
空気で足場作らなくていいのほんと楽。自分がこんな速く動けるなんて思ってもみなかった。ベストジーニストさんとの訓練の成果を今、存分に試せてる。結果は大成功だ。
あ、オールマイトいる。ちらりと金髪が見え、すぐさま方向を変える。
一直線交互打ちめちゃくちゃ楽しい。両手から面白いほど強い風が出てギュンギュン進む。加速すごい組はいつもみんなこんな感じなのか。飯田くんとか。
よし、目的地もうすぐ。1番かも。
「わ!」
と思ったら別方向から飛んでくるテープ。うう、やっぱ瀬呂くん速い。
「フィニーッシュ!」
「んー!2番!」
結局瀬呂くんには負けちゃった。やっぱ個性の使い方が上手い。飯田くんに勝てたのは正直めちゃくちゃ嬉しいです。ありがとうジーニストさん。
「みょうじめちゃくちゃ速くなってねえ?」
「思った!爆豪スタイルで飛んでたよね!?」
「うむ、威力も増している!職場体験で何かやったのかい?」
「ベストジーニストさんとの訓練の結果です!今の私岩砕けるからね。」
「何があったの……。」
みんな気づいてくれてる!どうやら足場から落っこちてしまった緑谷くんは地面に伏せて撃沈していた。私も体幹とか体の使い方どうにかしないとなあ。ジーニストさんのところで個性伸ばしたから、今後の課題は苦手克服だ。
「一番は瀬呂少年だったが、みんな入学時より個性の使い方に幅が出てきたぞ‼この調子で期末テストへ向け準備を始めてくれ‼」
ああ、もう期末かあ。なんか色々起こりすぎて忘れてたな。筆記は大丈夫だろうけど実技どうなるかなあ。近接の訓練できないか消太くんに相談してみよ。