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待って待って。今あの敵オールマイトって言った?平和の象徴が目的ってこと?
いや、それよりこの人たち私たちを殺すつもりだ。明確に、悪意を持ってここに来ている。
「敵ンン!?バカだろ!?ヒーローの学校に入り込んでくるなんてアホすぎるぞ!」
いや一概にそうは言えない。さっきも黒い靄が突然現れた。恐らくワープ系の個性だ。お昼にセンサーが誤作動したのもきっとこの人たちの仕業。ここは校舎とも離れてるし異変には気づかれにくい。これで学校に連絡もできなかったら。詰みだ。
消太くんが戦闘態勢に入った。抹消と捕縛布。優秀なのは知ってるけどあの人数だ。いつまで持つかわからない。
私の心配をよそに勢いよく飛び出した消太くんは次々と敵を倒していく。数は多いけど有象無象ってわけか。これなら加勢しなくてもいいかもしれない。
「分析してる場合じゃない!早く避難を!!」
飯田くんの言葉に乗っかり私も避難ルート確保に急ぐ。
「みんなこっち!急いで……、」
「させませんよ。」
目の前に、靄が広がる。
「初めまして。我々は敵連合。せんえつながら……この度ヒーローの巣窟雄英高校に入らせて頂いたのは、平和の象徴オールマイトに息絶えて頂きたいと思ってのことでして。」
やっぱりか。オールマイトがこの時間ここに居るっていうのは何処からばれた?いや、今はそれどころじゃない。
「その前に俺たちにやられることは考えてなかったか!?」
「駄目!下がって!」
切島くんへの叫びも虚しく一気に広がる黒い靄。まずい囲まれた。何とか前の2人を引き離したいのに上手く手が届かない。
あ、駄目。体が引っ張られる。瀬呂くんが必死で私の手を掴もうとしているのが見えた。
反射的にその手を取ろうとしたけどすぐに思い直す。駄目だ。瀬呂くんまで取り込まれてしまう。手を引っ込めた私を見て、瀬呂くんの顔が歪んだ気がした。
急に黒い靄が晴れた。ってうわ、燃えてる!咄嗟に風で体を支えて着地する。
火災ゾーンかな。とにかく元いた場所を目指さなきゃ。消太くんもみんなも心配だ。
「みょうじさん!」
「……!尾白くん!」
やっぱみんな散り散りにされてる。
「よかった、とりあえず無事?」
「うん、みょうじさんも怪我してなさそうでよかった。これからどうする?」
「元いた場所を目指そう。ここがどこなのかさっぱりわかんないけど、たぶん歩いてたら着く。」
「おっとそういうわけにはいかねえなあ。」
敵がいたか。しかもぞろぞろ。有象無象だ。
「女の方はなかなか別嬪じゃねえか。殺す前に楽しめそうだな。」
別嬪て。かなりステレオタイプの敵だな。尾白くんと背中合わせになって構える。
「……尾白くん、いけそう?」
「1人だったらきつかったかもだけど、いけるよ。」
「じゃあ、なるべく火のないところで戦ってほしい。」
「わかった。無理しないでね。」
「何こそこそやってんだあ!」
内緒話は気に入らなかったらしい。個性だけじゃなく刃物まで使ってくるのか。高校生相手に用意周到だな。
一気に空中へと飛んで風圧で敵の半分を炎の方へと追いやる。焦凍くんには効かなかったのに、体幹なってないねおじさんたち。
「せっかくの火災ゾーンを、使わない手はないよねえ。」
私が個性を使うたびに勢いを増す炎。やっぱ相性がいいね。おじさんたちはあっという間に火に取り囲まれて動けそうにない。残りの半分は尾白くんがさっさと倒してしまっている。うーん弱い。
「ありがとう、助かった~。」
「こっちこそ。」
「散り散りにされた場所には、たぶん有象無象しか配置されてない。」
「ってことは……。」
「うん、本命は元の広場だ。急ごう。」
一応周りを気にしながら火災ゾーンを抜ける。目指すは消太くんだ。
「あ、炎は小一時間燃え続けると思いますけど死なないと思うので!気をつけて!」
「独特な捨て台詞だね。」