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わー、朝からマスコミすごい。雄英の門には人だかりができていて、かなり通るのに苦労しそうだ。オールマイトの影響かあ。お父さんが死んだ時も執拗に追いかけられたからあんまり好きじゃない。
「ちょっと通してってば!」
あそこにいるの三奈ちゃん?取材陣にもみくちゃにされている。本人が嫌がるのも無視してオールマイトについての質問をぶつけてくる記者の人たち。そういうの、ちょっとむっとしちゃう。
「授業があるので失礼させてもらいますね。」
「なまえ!?」
「おはよう三奈ちゃん。」
驚き顔の三奈ちゃんの腰をしっかりと抱きそのまま門を通過する。
「あなたタイフーンの娘さんじゃないですか?」
「一言お願いします!」
無視するとこっちの印象悪くなるんだもんなあ。ずるいよね。
「雄英に担当の人がいると思うのでそちらに問い合わせてください。それと生徒に迷惑のかかる取材はマナー違反ですよ。」
にこりと一礼して足早に去る。お高くとまってるとか言われるかな、やだなあ。
「やばい、惚れる!」
「んふふ、無事でよかった。」
腰に回していた手を放すと、今度は三奈ちゃんが抱き着いてきた。可愛い。いい匂いする。
「何か対応慣れてなかった?スマートすぎて抱かれたもん!心が!」
「それは光栄だなあ。取材初めてじゃないからそれなりに躱せるの。」
「意外な一面を見た!」
あとでみんなに自慢しよー!と言ってスキップしている三奈ちゃん。それはちょっと恥ずかしいかも。
「おーい、芦戸、みょうじ、大丈夫だったかあ?」
「上鳴くん、おはよう。」
マスコミを切り抜けたであろう面々が教室で心配そうに迎えてくれた。
「特にみょうじとかさ、マスコミに埋もれて窒息しそう。」
「失礼じゃん。」
そんなに背低くないよ。標準だもん。
「それが聞いて驚け!なまえは王子様だったのです!」
「え、なに。どゆこと。」
まあ聞いてくれよと三奈ちゃんが先ほどの出来事をかなり脚色して語り始めた。や、やめて。
「みょうじ。」
「ん?」
「ほんとに大丈夫?」
居心地が悪くなって自分の席に着くと隣の瀬呂くんが少し小声で聞いてくる。どういう意味で大丈夫と尋ねたのかはわからないけど、いつもより真顔な彼は本気で心配してくれているのだろう。オールマイトのこと以外に余計なことを聞かれなかったか案じてくれているのかもしれない。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。」
「ん、それならいーけどね。」
元気が出るようにとオレンジ味の飴をくれた。学校生活が始まって間もないけれど、彼は無意識に私の心を救う。
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