戦闘訓練
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最初の対戦は過激だった。
開始早々奇襲しかけて爆破って容赦ないな爆豪くん。いや今彼は敵だから正しいのか?緑谷くんはお茶子ちゃんを庇いながらなんとか攻撃を避けている。
それにしても爆豪くん顔も行動もずっと怖い。般若の方がまだましだと思う。
緑谷くんが彼からの攻撃をしのいでるのがちょっと意外だった。爆豪くんの動きを読んでたかのように一本背負いで投げ飛ばす。
そうか、知り合いっぽかったもんな。多分喧嘩の癖とかそういうの知ってるんだ。昨日の体力テストでも緑谷くんは分析派だったし、今ものすごく考えながら戦ってるんだろう。
爆豪くんは動きを止めることなく爆破を繰り返すけれど、なかなか緑谷くんに当たらない。正直今の状況だけなら互角に見える。
ああ、爆豪くん苛立ってるな。というかなんか焦ってる?何でだろう。どう考えても能力は彼の方が上なのに。
別の画面を見ると核の部屋にお茶子ちゃんが到着したところだった。会話聞こえないけど飯田くんがすごく敵になりきっていて可愛い。お茶子ちゃんも笑ってる。
でもこれでヒーローチーム2人とも会敵、制限時間も迫ってるしでかなり危機的状況だ。って、うわ。
「爆豪少年ストップだ!」
やばやばやば、顔こわ。悪人面に違わず爆豪くんはオールマイトの声も無視して最大限の火力で緑谷くんを爆破した。緑谷くんはすんでのところで避けたけど、当たってたら死んでたかもしれない。
訓練で、相手は知り合いで、あれほど躊躇なく大爆破起こせるもの?因縁とかそんな言葉で片づけられない。本当にあの2人何があったんだろう。
さすがに周りも引いていて切島くんが止めに入ったけど、オールマイトは続行させた。音声はオールマイトにしか聞こえてないからそこで続行に足る何かを彼らが言っていたのかもしれない。
殴り合いは続けられているけどさっきよりもかなり一方的だ。どんどん緑谷くんがぼろぼろになっていく。
何も考えずに力で突っ込んでいく風に見えていたけど、爆豪くんは予想以上にクレバーだった。戦いの中で相手の行動を予測し、慣れ、強くなっていってるのがわかる。
とんでもなく才能がある。個性の扱い方だって緑谷くんよりはるかに上を行ってる。今だってやられているのは緑谷くんの方だ。それなのに、何でだろう。
「爆豪の方が余裕なくね?」
2人にとって、お互いはどんな存在だというんだろうか。
殴り合いは白熱して、双方の拳がぶつかりそうになる。あの威力でお互いの腕がぶつかれば大怪我じゃすまないかもしれない。オールマイトが制止をかけようとしたけれど。
「麗日さん行くぞ!!!」
緑谷くんの拳は目の前の爆豪くんではなく天井に向かった。上の階には飯田くんとお茶子ちゃんがいる。どうやら床が崩れることが合図になっていたようで、待ってましたとばかりにお茶子ちゃんが瓦礫を利用して特大ホームランを打った。狙いは飯田くん。あまりに不憫だ。
瓦礫を避けるために体を構えた飯田くんの隙をついて、ふよふよと浮かんだお茶子ちゃんが核へと抱き着く。核回収。ヒーローチームの勝利だ。オールマイトの声が響く。
「ヒーローチームWIIIIIN!!」
誰も予想してなかった結末。信じられないという顔でぴくりとも動かず立ち尽くしている爆豪くんが、ひどく目に焼きついた。