ええから混ぜろや
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桐生さんに喫茶アルプスに呼び出された。
「兄さんには内緒で遥の誕生日プレゼントを買うのに付き合ってくれないか」
「もちろんいいですけど、真島さんにバレないようにってどういうことです?」
「兄さんにバレると色々とめんどくさいんだ、ほら喧嘩とか。」
特に#da=1#が絡むと厄介なんだ、と桐生さんはとてもげんなりした顔で言う。
相当参っているようだ。
なぜ私が絡むと厄介になるのかはよく分からなかったがそんな桐生さんの顔を見ていたら断れるはずもなく。
「わ、わかりましたそこまで言うなら…」
「本当に助かる。」
じゃあ今度の日曜に駅前集合で、と伝票を片手に立ち上がる桐生さん。
ありがとうございますと去りゆく背中に向かって叫ぶとスっと片手を上げていなくなってしまった。
スタイリッシュすぎる…
時が過ぎ今日は待ちに待った桐生さんとの買い物の日。
遥ちゃんと3人で買い物はあったけど2人でどこかに出掛けるのは初めてかもしれない。
「遅くなってすまない、待ったか?」
急いできてくれたんだろう。走ったのかかなり息があがっている。
「いえ、今来たところですから。…もしかしてまた絡まれました?」
「あぁ、言い訳はカッコ悪いと思って内緒にしようとしたんだがな。#da=1#には全部お見通しみたいだ」
「お怪我はなさそうですね、それならよかったです!」
「フッ、遅れてきたやつに怒ることも無く心配してくれるなんて。優しいんだな、#da=1#は」
「いや怒れないですよ……!そんなことより早く行きましょ?遥ちゃんの好み、ちゃんとリサーチしてくれました?」
「それならバッチリだ」
ふんわりと優しく微笑む桐生さん。先程の申し訳なさそうな顔からすっかり父親の顔になっている。
桐生さんの両手にはとんでもない量の荷物が。
遥ちゃんの誕生日プレゼントは1つの予定だったはずなのだが
「これもいいな」
「これは遥に似合いそうだ。#da=1#はどう思う?」
と桐生さんは手当り次第良さそうなものをどんどんカゴに放り込んでいった。
「これは遥ちゃん、ビックリしますね……」
「あぁ。喜んでくれるといいんだがな」
私は量に驚くと思って言った言葉が桐生さんには違う意味に捉えられてしまったようだ。
でも遥ちゃんを思い浮かべ嬉しそうに微笑む姿を見てしまえばもう何も言えなくなった。
目標も達成したし暗くなってきたからそろそろお開きにしよう、と桐生さんが立ち上がる。
「今日は本当に助かった。改めて礼を言わせて欲しい。ありがとな」
「いえいえ!私なんてただ着いて回ってるだけで何も提案できず…」
「いや、それでいい。一緒にいてくれるだけでありがたかったんだ。また改めてご飯でもご馳走させてくr」
桐生さんの言葉が止まった。次の瞬間私の後ろから黒い影が飛び出す。
「ヒッ!?」
「ヒヒ、#da=1#と2人で出掛けるなんて度胸あるのぅ?桐生チャンよォ!」
真島さんだ。どうしてここに?桐生さんを探していたらたまたま見つけたとか?
ここで桐生さんの言っていた言葉を思い出す。
───真島の兄さんには内緒にして欲しい。
─────特に#da=1#が絡むと厄介なんだ。
桐生さんの方を慌てて見ると、
「あんただけには見つかりたくなかったんだがな」
と買った荷物を端にそっと置き拳を握りしめていた。
真島さんは真島さんでこちらもギラギラとした目をしながら手には鬼炎のドスを握りしめていた。
…これはガチ喧嘩になりそうな予感。
すぐさま遥ちゃんのプレゼントの方に駆け寄りプレゼントと2人の喧嘩を見守る。
「行くでぇええ!!桐生チャァアァン!!!」
真島さんが桐生さんの方へ走り出す。
どこかでゴングが鳴った気がした。
「なんで2人で出かけてるんや!ワシも混ぜろやああぁあぁあ!」
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