ケッコンカッコカリ (長編9頁)





翌週のレース会場。

 

 

「福富」

 

福富が開会式の後にざわつく会場内を歩いていると、声を掛けられた。

 

振り向くと、声を掛けてきたのは総北高校の主将、金城だった。

 

 

「金城」

「久しぶりだな。どうだ調子は」

 

「絶好調だ。……膝はもういいのか?」

「ああ。ありがとう。大丈夫だ」

 

「そうか。今回はオレ達箱学が優勝をいただく」

「ほう。凄い自信だな」

 

「今回のオレ達はひと味違う。先日のインターハイのようにはいかん」

「そうか。楽しみにしている」

 

金城は笑顔で手を振って去って行った。

 

 

 

 

 

箱学のテントに戻ってきた福富は、メンバーに声を掛ける。

 

「オマエ達。準備はいいか」

 

「バッチリだぜェ、福ちゃん」

「早く走りたくてウズウズしてるよ、寿一」

「フフン。いつでもOKだ、フク」

 

3人は元気いっぱいである。

 

 

 

「寿一。尽八。このレースで恩返しさせてもらうよ」

「二人に見せてやんよ。一番高い表彰台からの景色をなァ」

 

「当然だ。そのためにオマエ達を夫婦にした。必ず優勝を勝ち取る」

「さあ見せてもらおうか。貴様達の息がピッタリなところをな」

 

 

「まかせろ。オレと靖友は一心同体だ」

「一緒に連れてってやるぜェ!ハネムーンによォ!」

 

 

 

 

“選手の皆さんはスタート地点に整列願います”

 

会場のアナウンスが流れる。

 

 

 

 

「よし!行くぞ!!」

 

「「「おう!!!」」」 













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