B線からのSOS (長編18頁)★オススメ
「身長180cm超えの野郎2人が寝るには無理があンだろ?」
寝室のベッドを指して荒北が言う。
「大丈夫」
「何が大丈……うわッ!」
ドサッ!
荒北をベッドに放る。
「横向いてそっち詰めて」
グイグイと荒北の背中をベッドの隅に押しやる。
新開は荒北と同じ向きに寝そべり、背中から抱き付いた。
ぎゅっ!
「ウ……」
戸惑う荒北。
しかし新開は楽しそうだ。
「あ^~あったか~い。気持ちい~。靖友ってやっぱ抱き枕に最適。思ってた通りだ~」
全身をピッタリとくっつける。
「靖友……いい匂い」
「ッ!テメェいい加減に……」
「……スゥ……」
新開は即効で眠りに落ちた。
「……ちっ」
身動き出来ず、仕方ないので諦めてこのまま寝ることにした。
「……眠れねェ」
30分ほど経過したが、いつもと違う体勢のせいか全く眠れない。
「ん……靖友……」
新開の寝言だ。
「クッソ!いい気なもンだ」
だんだん腹が立ってきた。
ムクムク……。
「ン?」
荒北の尻に何か硬いモノが当たる。
ムクムクムク……。
「!!」
ガバッ!
荒北は飛び起きた。
「コイツ!寝惚けてなに勘違いしてやがる!」
新開のその部分を見ると、完全に育っていた。
「……」
特に意味は無いのだが、新開のテントをしばらく眺める荒北。
ムク……。
「ハッ!」
自分まで反応してきて、慌てて新開の身体を跨ぎベッドから出た。
バタバタバタ。
走ってキッチンへ行く。
冷蔵庫からベプシを取り出し、イッキ飲みする荒北。
「ハァ、ハァ……ゲフ」
深呼吸をしてから、テーブルに手をついて、項垂れた。
「……これだから……DTは……」
何にでも反応してしまって自己嫌悪に陥る。
荒北は頭を冷やそうと、バルコニーへ出た。
外はひんやりとしている。
川面を眺めながら、荒北は新開のセリフを思い出した。
── 運命の相手が見付かってもさ、デートばっかしてないでオレとも遊んでくれな ──
「そりゃア……こっちのセリフだ」
荒北は吐き捨てるように言った。
新開の運命の相手は幸せだ。
アイツはきっと全力で愛を注ぐだろう。
オレのことなんか、もう思い出しもしないに違いない。
……それでいいじゃないか。
新開が幸せになるならそれで。
オレだって運命の相手と……。
でも、もし見付からなかったら……?
オレはいつまであそこで歌い続ければいいんだろう。
そもそも本当に運命の相手なんて現れるのか?
……いや、まだ始めたばかりじゃないか。
気長に頑張ろう。
B線のオレを救えるのは、A線のオレだけなんだ。
それに……。
それに、B線の自分を救うという同じ使命が、オレと新開を繋ぐ唯一の……。
なんだか同じことをぐるぐる考えている気がして、荒北は部屋の中へ入った。
すっかり身体が冷えてしまった。
荒北はそのままリビングのソファに横になり、毛布を被った。