ミスター箱学コンテスト (短編3頁)
『ミス箱学・ミスター箱学コンテスト』
校内の掲示板に貼られたチラシ。
生徒会主催の企画イベントだ。
優勝者の男女は、今後箱学の宣伝、パンフレットのモデル、他校との交流イベント時の親善大使等の役割を担う。
全校生徒が1人2票投票出来る。
投票期間は明日から1週間。
結果発表は1週間後。
途中、中間発表を行う。
生徒達は掲示板の前に集まって興味深げに眺めている。
通りがかった荒北、新開、東堂の3人もそのチラシを読んでいた。
荒「フーン。おめでとう新開」
新「えっ?」
荒「残念だったナ東堂」
東「まだ投票も始まっとらんわ!」
荒北に肩に手を置かれ、憤慨する東堂。
荒「こんなの新開が優勝するに決まってんジャン。結果発表待つまでもねェ」
荒北は興味無さげにその場を立ち去る。
東「それはわからんぞ荒北」
荒「見苦しいなオメー。現実を認めろ」
食い下がる東堂。
東「チラシをよく見ろ。これはイケメンコンテストではない。優勝者は親善大使。つまり、社交性がものを言う。仲間以外には無愛想な隼人にはとても務まらん。それからポイントは1人2票という点だ。これは男女1票ずつと思いがちだが、男に2票入れることだって可能ということだ。つまり、結果はまだ予想出来んと」
荒「イケメンコンテストじゃねェってんなら、オレぁ福ちゃんに2票入れるぜ」
東「貴様どうあってもオレには入れんと言うのか!」
荒「オレにとって一番カッコイイ男は福ちゃんだ!入れて欲しいなら素直にそう言えバァカ!」
東「入れてくれ」
荒「やだプー」
新「……」
ギャアギャア言い争いをしている荒北と東堂を眺めながら、新開は何かを考え込んでいた──。
3日後。
中間発表が掲示板に貼り出された。
男子の1位は予想通り、新開だった。
荒「やっぱりな。妥当な結果だ」
東「ぐぬぬ……」
新「あ」
荒「どした新開」
新「2位……」
東「2位?」
男子部門の2位に君臨していた名前を見て3人共驚いた。
一番驚いたのは荒北だ。
2位に、自分の名前が挙がっていたのだ──。
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