勇者ヤストモの冒険 (長編15頁)
~箱学村~
荒北達の帰りを出迎える村人達。
村全体に祭の準備が整っており、華やかな雰囲気だ。
荒「ジジィ!」
長老「靖友!おお靖友よ!よく無事で……」
涙を流して迎える長老。
荒「オレの仲間達だ。手厚くもてなしてくれ」
長老「おお。それは勿論」
村人達は仲間達を招き入れる。
荒「それから……すぐに祝言の準備だ」
長老「祝言?」
新「……!」
長老「靖友よ。そうか、オマエ、旅の途中で花嫁を見付けてきたのじゃな?」
荒「いや、花婿だ」
長老「花婿……?」
新「靖友……」
驚いている新開。
荒北は新開に振り向いて言う。
荒「なにビックリしてんだ新開ィ。オメーが自分で言ったんじゃねェか。『オレ達この戦いが終わったら結婚するんだ』って」
新「言ったけど……でも、本当に?靖友」
信じられないという様子の新開。
荒「オレだって初めて会った時、オメーに一目惚れだったんだバァカ」
新「だって……だって、ずっと気の無いそぶりだったじゃないか」
荒「使命果たすまで浮かれるわけにいかねェだろ。我慢してたンだよ。察しろボケナス」
新「ホントに……?ホント?」
荒北はニヤリと笑って言った。
荒「オレぁ魔王を倒して世界を救った勇者だァ!ご褒美に世界一のイケメン貰うぐらいバチ当たンねェだろ?」
新「靖友……靖友」
新開は涙ぐんでいる。
荒北は新開の首に腕を回して抱き付いた。
新開も荒北の背中に腕を回し、きつく抱き締めた。
ワァーー!
歓声をあげる村人達。
東「なんと……」
福「まさかくっつくとは」
福富と東堂も驚いている。
その日のうちに祝言は執り行われた。
仲間達の箱学村への移住も決まり、村総出の盛大な宴は何日も何日も続いた。
マスターソードは、また元のほこらに戻された。
その後荒北が何度引っ張っても、抜けることはなかったという ──。
ここまでの冒険をセーブしますか?
○はい ✕いいえ
おしまい