勇者ヤストモの冒険 (長編15頁)
脱皮した御堂筋は身体が更にひと回り大きくなっていた。
御「……ぶっ潰す」
荒「怯むな!攻撃だァ!」
荒北の掛け声で福富が御堂筋に飛びかかる。
福「天衣無縫斬!」
カキーーン!!
福「!」
弾かれて福富は地面に倒れる。
荒「福ちゃん!」
福「天衣無縫斬が……効かない?」
それを見て東堂が爆裂攻撃をする。
東「イオナズン!!」
ドガアァァン!
煙がモクモクと立ち込めるが、御堂筋はビクともしていない。
東「バカな!習得した内の最強魔法だぞ!」
愕然とする東堂。
荒「くっ……」
ニタリと笑う御堂筋。
御「ええね、ええね、その絶望に満ちたカオ。……プププ。量産型ちゃういうても、所詮ザクⅡレベルなんよキミ達は」
御堂筋はゆっくりと歩み寄って来る。
ウ「ピキーーーッ!」
キングウサ吉が御堂筋に突進した。
御「キモ!」
御堂筋の瞳から光線が発射され、喰らうキングウサ吉。
ウ「ピーーー!」
キングウサ吉は石にされてしまった。
新「ウサ吉!ウサ吉ーーっ!!」
驚いて駆け寄る新開。
荒「御堂筋テメェ!」
荒北は御堂筋にジャンプして懐に入る。
荒「ギガスラッシュ!!」
ズザン!!
御堂筋の左腕が切断され、飛んだ。
しかし、すぐに新しい左腕が生えてきた。
荒「……!」
左腕をぐるぐる回しながら笑う御堂筋。
御「プププ。どうやらボクにまともに効くんはその剣だけみたいやね。じゃあ他はいらんね」
御堂筋は瞳から光線を発射した。
福「ム!」
東「ぬう!」
新「うわ!」
3人の足が石にされてしまった。
荒「!!」
衝撃を受ける荒北。
荒「テメェよくも仲間達を!」
御「仲間達?勇者以外役に立たへんのに何が仲間やの?勝負に友情なんて邪魔や。そやろ?」
御堂筋は3人に更に光線を浴びせようとする。
荒「やめろォ!!」
荒北は3人の前に立ちはだかり、マスターソードで光線を跳ね返す。
荒「コイツらに手出しはさせねェ!」
御堂筋は次々と攻撃して来るが、その全てを跳ね返す荒北。
御「防戦一方じゃいつまでたってもボクを倒せへんよ?それで勇者ぁ?弱北くん。プププ」
福「荒北!オレ達に構うな!」
東「そうだ!早く攻勢するのだ!」
新「おめさんが絶対勝つ!信じてるから早く倒すんだ靖友!」
荒「うるせェ!仲間の犠牲の上に勝っても嬉しくねェ!みんなで勝つんだ!勝って全員で村に帰ンだ!!」
そうは言っても確かに防御ばかりでは御堂筋を倒せない。
何か方法は無いか。
応戦しながら荒北は一生懸命考えていた。
御「そろそろ終わろか」
御堂筋が連撃スピードを上げた。
バキャーーン!!
荒「うあァァッッ!!」
防ぎきれず、ついに攻撃を喰らって吹き飛ばされる荒北。
福「荒北!」
東「荒北!」
新「靖友ーっ!!」