チャリデカ2《カジノ編》 (長編20頁)★オススメ
~会議室~
15分経ち、チーム箱学は全員会議室に戻って来ていた。
コンコン。
議長卓の荒北が話し始めようとした時、会議室のドアがノックされ、巻島が入ってきた。
巻「よぉ、エース軍団」
東「巻ちゃん!」
巻「ぐっ。職場で巻ちゃんて呼ぶなっショ!」
東堂の笑顔の呼び掛けに、あからさまに迷惑そうな顔をする巻島。
荒「どうした巻島ァ」
巻「……おたくらホント、上司を敬わねーな。もういいっショ……あのな」
巻島は溜め息をつきながら報告を始めた。
巻「会計から承認が降りたぜ」
福「なんのだ」
巻「ブラックジャックの軍資金」
全員「おおー!」
沸き立つ会議室。
巻「必要経費の他に、軍資金として1千万円ショ」
真「1千万円て、軍資金として多いのか少ないのかよくわかんないんですけど」
東「岸神小鞠が出没するのはあの“クジラ部屋”だぞ。1千万で足りるのか?荒北」
東堂の問いに、荒北はニヤリと笑って答える。
荒「充分だ。岸神小鞠が現れる前に、増やす」
新「ヒュウ!」
新開が口笛を吹く。
荒北の実力は昨日新開自身で体験済みだ。
巻「福富が言ってたエースっておたくだったのか荒北。大した自信ショ。……もうひとつ報告だ」
巻島は議長卓の荒北に歩み寄って言った。
巻「この1千万は、何があっても返却してもらうぜ。もし減らしたら、チーム箱学連帯責任で給料天引きっショ」
全員「ぎゃー!」
鬼!悪魔!蜘蛛男!と罵声を浴びる巻島。
巻「話は最後まで聞けっショ!それに蜘蛛男は悪口じゃねーっショ!……もし増やせたら、チーム箱学の今後の経費予算として計上を認めるとさ。高価なチャリでも何でも好きなもん買うといいっショ」
全員「おおー!」
拍手が巻き起こる。
巻「元々チーム箱学は金喰い虫だからなぁ。会計としてもその方が助かるっショ」
東「ありがとう巻ちゃん!会計を説得してくれたのだな!なんだかんだ言っても巻ちゃんはやっぱり優しいな!」
巻「な、なんの話っショ!オレはただMr.ピエールの敵討ちをだなぁ……」
東「照れてる巻ちゃんも可愛いぞ!ワハハハ!」
巻「う、うるさいっショ!じゃあ、頼んだぜ荒北!」
荒「あァ、任せとけ」
巻島は真っ赤な顔で、逃げるようにして会議室を出て行った。