ハコガクデート (中編6頁)





荒「まだ夕方じゃね?」

新「今から始めないと寮の門限に間に合わないだろ?」

荒「そーゆーモン?」

新「そーゆーモン」

 

なんとなく新開の口車に乗せられてしまう荒北。

 

 

黒「大人の時間って……アンタだって高校生じゃないスか!」

新「悪いな、黒田。オレ達もう18歳なんだ」

黒「ぐっ……」

 

18歳だからどうというわけでもない筈だが、新開の堂々とした言動に黒田は反論出来ない。

 

ここまでついて来たのに、今更帰れと言われ、後輩達は納得せず抗議の嵐を浴びせる。

 

黒「オレは反対です!初デートでラブホなんて早過ぎです!荒北さん!アンタここが何するとこかちゃんとわかってんのか?」

泉「後学のために!是非後学のために見学させて下さいっ!」

真「オレも挿れたいです!オレも荒北さんに挿れさせて下さーい!」

 

 

一歩引いて総北組は眺めている。

 

小「うわ~。これが噂の新荒ってやつか~。ちゃんと最後までやるんだ。感激だな~」

今「……ラブホの真ん前で男7人が大騒ぎしてるこの状況、オレにはとても耐えられないんだが」

 

 

 

新「あーーっ!寿一と金城くんがデートしてる!」

「「ええっ!?」」

 

新開が突然指を差して叫んだ。

後輩達はみんなその先を見る。

 

泉「福富主将と金城さんが?」

黒「あの二人いつの間に?」

小「意外なカップリングだけど、有り得ないこともないかも!」

 

後輩達はキョロキョロするが、どこにもその二人は見当たらない。

 

 

 

真「ああっ!新開さんと荒北さんがいない!」

黒「なにっ!しまった!騙された!」

泉「してやられたか!さすがです新開さんっ!」

 

まんまと出し抜かれ、愕然とする後輩達。

 

 

 

小「な~んだ、嘘だったのか。びっくりしたなぁ」

今「金城さんと福富さんとか有り得ないだろ!箱学のやり方にはついて行けない!もう帰るぞ小野田!これ以上一緒にいると頭がおかしくなる!」

 

今泉は小野田を引っ張って帰って行った。

 

 

箱学の後輩達も、これ以上ラブホの前にいても仕方ないのでおとなしく帰ることにした。

 

 

 

 

 

 

 

室内をキョロキョロ見渡している荒北。

新開は荒北に近付いて手を握る。

 

新「やっと二人きりになれたな靖友……」

荒「オレ、このあとどうすりゃイイの?」

 

新「ん?そうだな……。オレが服脱がすから、おめさんはそこに立ってて。腕はちょっと広げて、そうそう……」

荒「……」

 

新開は鼻息を荒くしながら、荒北の着ているものを一枚一枚脱がしていった──。
 












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