リボーン
ボンゴレと嵐+10
「おはようございます、十代目。本日もいい天気ですよ。」
朝は決まってこの嵐の守護者にたたき起される。イタリアに来て早五年、中学の頃から変わらずに、彼は俺に忠実だ。最近は、情報科のハルと仲がまとまったらしく、俺としてはホッとしている。もうこれ以上俺をつけ狙う人を増やしたくない一心である。
「おはよう、隼人。いつも悪いね。」
「いえ、十代目がお気になさるほどでは。」
「今日もハルのとこから来たでしょう。」
「・・・ばれましたか。いや、あいつの家の方がココに近いですし、ゆ「朝ごはんが美味しいものね。」」
にこにこと笑うと、隼人は苦笑した。
「十代目にはかないません。」
頬を染めた隼人にほのぼのとして、(どうやら彼らの恋路は順調のようである。)ベッドから起き上がる。
「今日の予定は?」
シルクのパジャマのボタンをはずしながら聞くと、隼人は手帳を取り出して一日の流れを読み上げた。
十代目!と叫ばれた日々が懐かしいけれど、今の隼人はそれはそれでいい。
END.
獄寺君は、年を追うごとに落ち着いていったらいい。
三か月前に漸くハルとくっついて、人生を謳歌中。他の守護者は『敵が減った』と放置。
******
ボンゴレと雨+10
ザワッと玄関口が騒がしくなって『これは誰か帰ってきたな』と思っていたら、カチャリとベルトに金属が擦れる音がした。
―――彼だ。
隣で隼人が昔のように思いっきり顔を顰めた。
「―――お帰り、武。」
「ただいま、ツナ!」
笑顔で玄関から上を見上げ、自分がいる階段を上ろうとした山本武は、ボンゴレ一、危険な男になってしまった。
リボーンが言うとおり、彼は生粋の殺し屋だったということだ。
「今帰ったの?」
首を傾げて問うと、武はニカッと笑って首を縦に振った。
「そう。起こしに行こうと思って早く帰ってきた。でもまぁ、隼人がいたとは知らなかったなぁ。」
「まぁこういうところ俺の右腕は優秀だからね。」
「浮かれてるのかと・・・。」
「山本!」
「だってお前、昨日ようやっとの休日だったじゃねーか。」
隼人をからかって笑ってはいるが、本心で笑っているとは到底思えない。自分ですらそうなのだから、部下たちは更に解らないだろう。
「武、ご飯まだなら一緒に食べない?」
「お?ほんとか。ならシャワー浴びたらすぐ行く。」
頭をぐしゃぐしゃと撫でられて、武は自室に戻るために踵を返した。横を通り過ぎた時に、少しだけ血の香りがした。
「また怪我したのかな。」
そう呟くと、隼人がシャマル呼んできます、と頭を下げる。
「うんお願い。」
武は直ぐに無理をするから。言えば頼もしい右腕は口元に手を当てて笑った。
END.
山本は年をとると何考えてるか分からなくなりそう。で、戦闘能力も高いから雲雀さんと同じ扱いされたり。
ツナ命!のその一人。二人っきりだとゴニョゴニョを強請ってきます。
******
ボンゴレと雲+10
ガンッと真横の壁をトンファーで抉られて、脅えなくなったのは果たしていつの頃だったのか。
―――慣れって、怖いよね。
痛感しながら瞼を閉じれば、目の前の人物は「ねぇ、聞いてるの?」と不機嫌な声を出した。
「―――恭哉、聞いてる。」
やれやれ、と目を開けて肩を透かすと、雲雀恭哉というボンゴレきっての爆弾はニヤリ、と笑った。
「じゃあ、僕の言うことは解るね?沢田。」
壁に詰められて後がなくなる。だがおいそれとは頷けないなのが今回の原因だ。
「・・・無理。恭哉らしくない、他人に興味を持つなんて。」
この討論をするのも何回目なのだろうか。自慢じゃないけど、両手両足を全部ひっくるめて更に10を掛けたって足りやしないことは解っている。そしてとてもありがたいことにこのまま一生終わらない気がするのだ。・・・超直感なんて欲しくなかった。
「いい加減認めなよ、君が頷けば僕はボックスでも銃でもトンファーでも雨の刀でも嵐の爆弾でもすっ飛ばしてあげるから。」
有難迷惑だ。
「とにかく駄目。」
「何故?」
「骸だって俺の守護者だから。」
「・・・死ねばいいのに。」
きりきり、と爪を噛む癖はイタリアに来てからだ。スィーと飛んできた彼の愛玩動物が頭に止まるのを見て、彼の前髪に少しだけ触れた。
「そんなこと言わない。恭哉。」
「君は、あの男に甘い。でも僕は忘れないよ。あの男が、君に、何をしたか。」
「うん。恭哉がそう思うなら、そうした方が良いよ。」
「・・・君は酷い。」
「怒りは収まった?」
「・・・全然。」
伸ばされる腕を、心地よいと思ってしまったのはつい最近だ。彼の漆黒のスーツからは仄かに甘い香りが漂った。
「僕のモノになればいいのに。」
END.
雲雀さんの癇癪を止めることができるのは雨とボンゴレだけです。
******
ボンゴレと霧+10
「昼間、あの男と居たでしょう。」
帰ってきた霧の守護者は窓枠の外を見つめて言った。
「何でそう思うの?」
「あの男の香水の残り香が、部屋からしますから。」
窓枠の外を見つめたまま、
「あー・・・昼間癇癪起こしたから、かな。」
「君は甘すぎる。」
「それ、今日恭哉にも言われたよ。」
「鳥の話はしないでください。」
「はいはい。」
「綱吉くん、」
振り返った骸の左右色の違う瞳を見る。躯はそれを甘受しながらベッドの端に座った。この男が現れるのは決まって夜だ。
「僕は時々酷いことを考えるんです。でもその後に待ち構える恐怖には絶対耐えられない、だから雲雀恭哉のことだって見過ごしているんです。」
「・・・うん。」
「でも、こんな風にあの男の気配を残すのはルール違反だと、思いませんか?君は僕のモノにならない代わりにあの男のモノにもならない。でもこれだと、独占されているみたいで嫌です。」
「・・・なるほど。」
「だからこの場合、条件をフィフティにしないと不平等じゃないかと思うんです。」
「それで?」
骸はそのままぼふん、とベッドに横になった。
「今日は一緒に寝てください。」
「・・・とにかく、スーツは脱ごうよ。」
END.
骸さんはボンゴレ依存症になってたら楽しいと思います。そして雲雀さんと不可侵条約を結ばされています(ボンゴレによって。)
******ボンゴレと側近+10
「拙者どう考えてもあの、雲と霧と雨は手に負えないと思うのですよ。」
「―――まぁ、最近は大きく荒れたりもしてないからいいんじゃないかな?」
「綱吉殿は優しすぎるのです!あ奴らは隙があればやれ一緒に寝てくれだの、落ち付かないだの言い出して!ちょっとは綱吉殿のことも気にしてもらいたいものです!」
ぐいーっと酒を呷った側近に、ツナは笑ってたしなめた。
「それでも屋敷が半壊していた頃に比べたらいい方だよ?」
「良くありません!」
飲んだら愚痴派か、とボンゴレはバジルを見て片眉を釣り上げて笑った。最近の側近は、上記三名に振り回されてばかりいる。とにかく綱吉を守らなくてはと感じているのに、守護者にそのポジションを取られていたため、だいぶストレスがたまったいたようだ。
「まぁまぁバジルくん。みんなそれぞれ無茶言ってイタリアに来てもらってるんだし、フラストレーションも溜まるんだよ。見逃してあげてね?」
「無理です。奴らがつけ上がる前に一掃したいと思います。打倒守護者!」
バシン、と机を叩いて立ち上がった門外顧問に綱吉は「うん、嵐と晴れはあんまり関係ないよね」と思ったが、口をつぐんだ。
「うん。頼りにしてるね、バジルくん。」
笑った綱吉の顔を見て、バジルは緩やかに目尻を下げた。
END
バジルくんは苦労人で、いつも魔の手からツナを守ってくれます。
******
ボンゴレと暗殺部隊ボス+10
「他の奴らは寝たのか?」
自室に入ってきた綱吉に、ザンザスはそう聞いた。
「うん。今日もお世話になるね。」
「てめぇも対外変な輩に好かれるな。」
ククッと喉で笑ったザンザスに綱吉は大きくため息をついた。
「・・・自分のことを棚に上げといてよく言う。」
「俺は守護者じゃねぇからな。」
執務用の椅子から立ち上がったザンザスはそのまま綱吉の傍まで歩き、小さな頬を撫でた。
「―――霧の残り香がする。」
「一緒に寝てくれって言われたからね。」
「ッチ、」
「やきもち?」
「悪いか?でもここにいていいのか?霧には幻術は効かないんだろう。」
「バジルくんが、ね。」
「門外顧問も大変だな。」
自分よりも随分小柄なボスに口づけ、ザンザスは綱吉を抱き上げた。
「確か、二か月ぶりだよなぁ。」
「エロオヤジ。」
「何とでも。こっちは溜まってんだ。味見させろ。」
ニヤニヤと笑った顔に口づけを落として、綱吉はその腕の中で力を抜いた。
「おやすみ、ツナ。」
「寝かせる気がないのによく言うよね。」
END
暗殺部隊ボスとは既に出来上がった状態で何年も過ごしてます。
最早数少ない普通に寝られるところに彼のベッドは位置づけられていたり。
ほかのベッドは日本での沢田家のベッド、リボーンの隣の部屋のベッド(でもあまり行きたくない)と、ディーノさんのベッドが挙げられます。自室のベッドはほとんど使っていません。
ザンザスとは、際どい危ないこと、たくさんします。ええ、たくさん。
******
ボンゴレとキャッバローネ+10
「もう本当、どこかに安眠できる場所が欲しいですよ。」
独り言のように吐き出した言葉を、同盟ファミリーのディーノさんは笑ってお茶を飲んだ。
「ザンザスんとこでは寝られるんだろ?あぁ、でもあいつがそんな淡白なわけないわな。こないだ溜まってるって、言ってたしなー。」
「ええ、もうぐっちゃぐっちゃのどっろどろにされました。昨日のアレはない。せっかくベッドの上にいるのに朝日を見ることになるなんて思いもしなかったんですから。」
「また霧と雲と雨が荒れそうだな。」
「荒れてました。ここに来る前までで武はいなかったし、玄関にあった女神のオーナメントが何者かに砕かれてるし・・・アレは恭哉
の仕業だろうな・・・。骸は朝一で執務室に来て“どこか悪いことやってるファミリーで今日中に潰す所はありますか?”って聞いてきました。」
「・・・ひええ、凄まじいな。」
毒が入っていないサクッとしたクッキーを頬張ると、ディーノさんは笑って同じクッキーをつまんだ。
「それで俺の家に泊まりたいんだな?」
「駄目ですか?」
「いいや、大歓迎。・・・その先も大歓迎。」
「っう!・・・でもまぁいいです。ディーノさんはザンザスと違って鬼畜じゃないですしね。」
「冗談。今日は何もしないで居てあげよう。二連チャンはきついだろうしな。」
つまんだクッキーを食べてディーノさんはコーヒを口にした。
「やっぱりディーノさん大好きですよ。優しい!大好き!」
「はいはい。そう言ってもらえると嬉しいよ。」
END.
キャッバローネは最早ボンゴレの右腕的存在希望。鋼の絆。ツナはディーノさんと出来上がった状態で、(ザンザスと同じく)ボス二人とは愛人関係。過激なことも平気でやっちゃうけれど、ザンザスよりはまし。
ディーノさんは基本優しいので、泊まりたい理由を言えば泊めてくれます。
*****
ボンゴレと家庭教師+10
カチャンと小さなコーヒーカップをソーサーに置いた男は目の前の教え子を見て溜め息をついた。
「なんでこう、お前は男にばっか好かれるんだ。ドンなら女の!愛人の一人や二人や三人四人五人六人作れってんだ。このダメツナが。」
再び溜め息を吐いたリボーンに綱吉は甘い紅茶をコクリ、と飲んだ。
「六人はさすがに多いかなぁ。」
「一人もいねぇ癖によく言う。作る気もねぇだろ。」
「やっぱりわかるもんなの?」
「お前のやる気の無さは九代目以上だな。」
「でも、めぼしい人もあんまりいないよね。」
「お前の持つ超直感が時々煩わしい。」
「同感だよ。」
ははっと軽く笑った綱吉に、リボーンは頭を抱える。ボンゴレは今、次の後継者探しに追われていた。
「あー、まぁ適当に連れて来るから、その中から選べ。」
「うん、その人が俺に会う前に何故か失踪しなかったらね。」
リボーンはかなり前に出された、半ば温くなったエスプレッソに近くにあった綱吉用のミルクを大量に注ぎこんだ。
十代目就任以来自分はどうも胃を壊しやすい体質になってしまっている。
いや、この際綱吉は置いておこう。この男はなんだかんだ言って最後には素直に流されてくれるからまだいい。体よく女を当てがれば納得はしないだろうが何とか後継者くらいは作ってくれるだろう。
一番の問題はコレの周りだ。
「骸も恭哉も武も、やめてとは言ってるんだけどね。彼等の試練はちょっと厳しいかな。」
参ったなぁ、とちびちび紅茶を飲む綱吉にリボーンは怒りを通り越して脱力した。
ファミリー内ですら彼等が綱吉に押し寄せる婚約者を試練と言う名の嫌がらせでもって千切っては投げ千切っては投げしている(しかもそれは最早嫌がらせと言う可愛い言葉で言い表せない程酷く残虐な手段であることをここに追記しておく。)ことを知っているというのにこの男は・・・!
肩を落として綱吉を見ると、数多のマフィアの頂点に立つボンゴレファミリーのボスは可愛らしく首をカクン、と傾げた。
殺るなら守護者からだな。
リボーンの頭痛と腹痛はここに来て頂点に達した。
END
え?覚えがありませんねぇ。失踪する方が悪いんですよ。
ただちょっとだけ飯が不味いって言っただけなのなー
あんな女が綱吉に触れていい訳があるはずないじゃない。
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「おはようございます、十代目。本日もいい天気ですよ。」
朝は決まってこの嵐の守護者にたたき起される。イタリアに来て早五年、中学の頃から変わらずに、彼は俺に忠実だ。最近は、情報科のハルと仲がまとまったらしく、俺としてはホッとしている。もうこれ以上俺をつけ狙う人を増やしたくない一心である。
「おはよう、隼人。いつも悪いね。」
「いえ、十代目がお気になさるほどでは。」
「今日もハルのとこから来たでしょう。」
「・・・ばれましたか。いや、あいつの家の方がココに近いですし、ゆ「朝ごはんが美味しいものね。」」
にこにこと笑うと、隼人は苦笑した。
「十代目にはかないません。」
頬を染めた隼人にほのぼのとして、(どうやら彼らの恋路は順調のようである。)ベッドから起き上がる。
「今日の予定は?」
シルクのパジャマのボタンをはずしながら聞くと、隼人は手帳を取り出して一日の流れを読み上げた。
十代目!と叫ばれた日々が懐かしいけれど、今の隼人はそれはそれでいい。
END.
獄寺君は、年を追うごとに落ち着いていったらいい。
三か月前に漸くハルとくっついて、人生を謳歌中。他の守護者は『敵が減った』と放置。
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ボンゴレと雨+10
ザワッと玄関口が騒がしくなって『これは誰か帰ってきたな』と思っていたら、カチャリとベルトに金属が擦れる音がした。
―――彼だ。
隣で隼人が昔のように思いっきり顔を顰めた。
「―――お帰り、武。」
「ただいま、ツナ!」
笑顔で玄関から上を見上げ、自分がいる階段を上ろうとした山本武は、ボンゴレ一、危険な男になってしまった。
リボーンが言うとおり、彼は生粋の殺し屋だったということだ。
「今帰ったの?」
首を傾げて問うと、武はニカッと笑って首を縦に振った。
「そう。起こしに行こうと思って早く帰ってきた。でもまぁ、隼人がいたとは知らなかったなぁ。」
「まぁこういうところ俺の右腕は優秀だからね。」
「浮かれてるのかと・・・。」
「山本!」
「だってお前、昨日ようやっとの休日だったじゃねーか。」
隼人をからかって笑ってはいるが、本心で笑っているとは到底思えない。自分ですらそうなのだから、部下たちは更に解らないだろう。
「武、ご飯まだなら一緒に食べない?」
「お?ほんとか。ならシャワー浴びたらすぐ行く。」
頭をぐしゃぐしゃと撫でられて、武は自室に戻るために踵を返した。横を通り過ぎた時に、少しだけ血の香りがした。
「また怪我したのかな。」
そう呟くと、隼人がシャマル呼んできます、と頭を下げる。
「うんお願い。」
武は直ぐに無理をするから。言えば頼もしい右腕は口元に手を当てて笑った。
END.
山本は年をとると何考えてるか分からなくなりそう。で、戦闘能力も高いから雲雀さんと同じ扱いされたり。
ツナ命!のその一人。二人っきりだとゴニョゴニョを強請ってきます。
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ボンゴレと雲+10
ガンッと真横の壁をトンファーで抉られて、脅えなくなったのは果たしていつの頃だったのか。
―――慣れって、怖いよね。
痛感しながら瞼を閉じれば、目の前の人物は「ねぇ、聞いてるの?」と不機嫌な声を出した。
「―――恭哉、聞いてる。」
やれやれ、と目を開けて肩を透かすと、雲雀恭哉というボンゴレきっての爆弾はニヤリ、と笑った。
「じゃあ、僕の言うことは解るね?沢田。」
壁に詰められて後がなくなる。だがおいそれとは頷けないなのが今回の原因だ。
「・・・無理。恭哉らしくない、他人に興味を持つなんて。」
この討論をするのも何回目なのだろうか。自慢じゃないけど、両手両足を全部ひっくるめて更に10を掛けたって足りやしないことは解っている。そしてとてもありがたいことにこのまま一生終わらない気がするのだ。・・・超直感なんて欲しくなかった。
「いい加減認めなよ、君が頷けば僕はボックスでも銃でもトンファーでも雨の刀でも嵐の爆弾でもすっ飛ばしてあげるから。」
有難迷惑だ。
「とにかく駄目。」
「何故?」
「骸だって俺の守護者だから。」
「・・・死ねばいいのに。」
きりきり、と爪を噛む癖はイタリアに来てからだ。スィーと飛んできた彼の愛玩動物が頭に止まるのを見て、彼の前髪に少しだけ触れた。
「そんなこと言わない。恭哉。」
「君は、あの男に甘い。でも僕は忘れないよ。あの男が、君に、何をしたか。」
「うん。恭哉がそう思うなら、そうした方が良いよ。」
「・・・君は酷い。」
「怒りは収まった?」
「・・・全然。」
伸ばされる腕を、心地よいと思ってしまったのはつい最近だ。彼の漆黒のスーツからは仄かに甘い香りが漂った。
「僕のモノになればいいのに。」
END.
雲雀さんの癇癪を止めることができるのは雨とボンゴレだけです。
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ボンゴレと霧+10
「昼間、あの男と居たでしょう。」
帰ってきた霧の守護者は窓枠の外を見つめて言った。
「何でそう思うの?」
「あの男の香水の残り香が、部屋からしますから。」
窓枠の外を見つめたまま、
「あー・・・昼間癇癪起こしたから、かな。」
「君は甘すぎる。」
「それ、今日恭哉にも言われたよ。」
「鳥の話はしないでください。」
「はいはい。」
「綱吉くん、」
振り返った骸の左右色の違う瞳を見る。躯はそれを甘受しながらベッドの端に座った。この男が現れるのは決まって夜だ。
「僕は時々酷いことを考えるんです。でもその後に待ち構える恐怖には絶対耐えられない、だから雲雀恭哉のことだって見過ごしているんです。」
「・・・うん。」
「でも、こんな風にあの男の気配を残すのはルール違反だと、思いませんか?君は僕のモノにならない代わりにあの男のモノにもならない。でもこれだと、独占されているみたいで嫌です。」
「・・・なるほど。」
「だからこの場合、条件をフィフティにしないと不平等じゃないかと思うんです。」
「それで?」
骸はそのままぼふん、とベッドに横になった。
「今日は一緒に寝てください。」
「・・・とにかく、スーツは脱ごうよ。」
END.
骸さんはボンゴレ依存症になってたら楽しいと思います。そして雲雀さんと不可侵条約を結ばされています(ボンゴレによって。)
******ボンゴレと側近+10
「拙者どう考えてもあの、雲と霧と雨は手に負えないと思うのですよ。」
「―――まぁ、最近は大きく荒れたりもしてないからいいんじゃないかな?」
「綱吉殿は優しすぎるのです!あ奴らは隙があればやれ一緒に寝てくれだの、落ち付かないだの言い出して!ちょっとは綱吉殿のことも気にしてもらいたいものです!」
ぐいーっと酒を呷った側近に、ツナは笑ってたしなめた。
「それでも屋敷が半壊していた頃に比べたらいい方だよ?」
「良くありません!」
飲んだら愚痴派か、とボンゴレはバジルを見て片眉を釣り上げて笑った。最近の側近は、上記三名に振り回されてばかりいる。とにかく綱吉を守らなくてはと感じているのに、守護者にそのポジションを取られていたため、だいぶストレスがたまったいたようだ。
「まぁまぁバジルくん。みんなそれぞれ無茶言ってイタリアに来てもらってるんだし、フラストレーションも溜まるんだよ。見逃してあげてね?」
「無理です。奴らがつけ上がる前に一掃したいと思います。打倒守護者!」
バシン、と机を叩いて立ち上がった門外顧問に綱吉は「うん、嵐と晴れはあんまり関係ないよね」と思ったが、口をつぐんだ。
「うん。頼りにしてるね、バジルくん。」
笑った綱吉の顔を見て、バジルは緩やかに目尻を下げた。
END
バジルくんは苦労人で、いつも魔の手からツナを守ってくれます。
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ボンゴレと暗殺部隊ボス+10
「他の奴らは寝たのか?」
自室に入ってきた綱吉に、ザンザスはそう聞いた。
「うん。今日もお世話になるね。」
「てめぇも対外変な輩に好かれるな。」
ククッと喉で笑ったザンザスに綱吉は大きくため息をついた。
「・・・自分のことを棚に上げといてよく言う。」
「俺は守護者じゃねぇからな。」
執務用の椅子から立ち上がったザンザスはそのまま綱吉の傍まで歩き、小さな頬を撫でた。
「―――霧の残り香がする。」
「一緒に寝てくれって言われたからね。」
「ッチ、」
「やきもち?」
「悪いか?でもここにいていいのか?霧には幻術は効かないんだろう。」
「バジルくんが、ね。」
「門外顧問も大変だな。」
自分よりも随分小柄なボスに口づけ、ザンザスは綱吉を抱き上げた。
「確か、二か月ぶりだよなぁ。」
「エロオヤジ。」
「何とでも。こっちは溜まってんだ。味見させろ。」
ニヤニヤと笑った顔に口づけを落として、綱吉はその腕の中で力を抜いた。
「おやすみ、ツナ。」
「寝かせる気がないのによく言うよね。」
END
暗殺部隊ボスとは既に出来上がった状態で何年も過ごしてます。
最早数少ない普通に寝られるところに彼のベッドは位置づけられていたり。
ほかのベッドは日本での沢田家のベッド、リボーンの隣の部屋のベッド(でもあまり行きたくない)と、ディーノさんのベッドが挙げられます。自室のベッドはほとんど使っていません。
ザンザスとは、際どい危ないこと、たくさんします。ええ、たくさん。
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ボンゴレとキャッバローネ+10
「もう本当、どこかに安眠できる場所が欲しいですよ。」
独り言のように吐き出した言葉を、同盟ファミリーのディーノさんは笑ってお茶を飲んだ。
「ザンザスんとこでは寝られるんだろ?あぁ、でもあいつがそんな淡白なわけないわな。こないだ溜まってるって、言ってたしなー。」
「ええ、もうぐっちゃぐっちゃのどっろどろにされました。昨日のアレはない。せっかくベッドの上にいるのに朝日を見ることになるなんて思いもしなかったんですから。」
「また霧と雲と雨が荒れそうだな。」
「荒れてました。ここに来る前までで武はいなかったし、玄関にあった女神のオーナメントが何者かに砕かれてるし・・・アレは恭哉
の仕業だろうな・・・。骸は朝一で執務室に来て“どこか悪いことやってるファミリーで今日中に潰す所はありますか?”って聞いてきました。」
「・・・ひええ、凄まじいな。」
毒が入っていないサクッとしたクッキーを頬張ると、ディーノさんは笑って同じクッキーをつまんだ。
「それで俺の家に泊まりたいんだな?」
「駄目ですか?」
「いいや、大歓迎。・・・その先も大歓迎。」
「っう!・・・でもまぁいいです。ディーノさんはザンザスと違って鬼畜じゃないですしね。」
「冗談。今日は何もしないで居てあげよう。二連チャンはきついだろうしな。」
つまんだクッキーを食べてディーノさんはコーヒを口にした。
「やっぱりディーノさん大好きですよ。優しい!大好き!」
「はいはい。そう言ってもらえると嬉しいよ。」
END.
キャッバローネは最早ボンゴレの右腕的存在希望。鋼の絆。ツナはディーノさんと出来上がった状態で、(ザンザスと同じく)ボス二人とは愛人関係。過激なことも平気でやっちゃうけれど、ザンザスよりはまし。
ディーノさんは基本優しいので、泊まりたい理由を言えば泊めてくれます。
*****
ボンゴレと家庭教師+10
カチャンと小さなコーヒーカップをソーサーに置いた男は目の前の教え子を見て溜め息をついた。
「なんでこう、お前は男にばっか好かれるんだ。ドンなら女の!愛人の一人や二人や三人四人五人六人作れってんだ。このダメツナが。」
再び溜め息を吐いたリボーンに綱吉は甘い紅茶をコクリ、と飲んだ。
「六人はさすがに多いかなぁ。」
「一人もいねぇ癖によく言う。作る気もねぇだろ。」
「やっぱりわかるもんなの?」
「お前のやる気の無さは九代目以上だな。」
「でも、めぼしい人もあんまりいないよね。」
「お前の持つ超直感が時々煩わしい。」
「同感だよ。」
ははっと軽く笑った綱吉に、リボーンは頭を抱える。ボンゴレは今、次の後継者探しに追われていた。
「あー、まぁ適当に連れて来るから、その中から選べ。」
「うん、その人が俺に会う前に何故か失踪しなかったらね。」
リボーンはかなり前に出された、半ば温くなったエスプレッソに近くにあった綱吉用のミルクを大量に注ぎこんだ。
十代目就任以来自分はどうも胃を壊しやすい体質になってしまっている。
いや、この際綱吉は置いておこう。この男はなんだかんだ言って最後には素直に流されてくれるからまだいい。体よく女を当てがれば納得はしないだろうが何とか後継者くらいは作ってくれるだろう。
一番の問題はコレの周りだ。
「骸も恭哉も武も、やめてとは言ってるんだけどね。彼等の試練はちょっと厳しいかな。」
参ったなぁ、とちびちび紅茶を飲む綱吉にリボーンは怒りを通り越して脱力した。
ファミリー内ですら彼等が綱吉に押し寄せる婚約者を試練と言う名の嫌がらせでもって千切っては投げ千切っては投げしている(しかもそれは最早嫌がらせと言う可愛い言葉で言い表せない程酷く残虐な手段であることをここに追記しておく。)ことを知っているというのにこの男は・・・!
肩を落として綱吉を見ると、数多のマフィアの頂点に立つボンゴレファミリーのボスは可愛らしく首をカクン、と傾げた。
殺るなら守護者からだな。
リボーンの頭痛と腹痛はここに来て頂点に達した。
END
え?覚えがありませんねぇ。失踪する方が悪いんですよ。
ただちょっとだけ飯が不味いって言っただけなのなー
あんな女が綱吉に触れていい訳があるはずないじゃない。
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