悠紀「そろそろ私、帰りますね。」


石神「泊まればいい。」

悠紀「えっ？」

石神「若い女性をこんな時間に一人で帰らせるわけにはいかない。しかし、車で送ろうにも、俺は疲れている。」

悠紀「じゃあ、タク…むむ…ん…」

石神「…っ、やっと会えたのに…もう離れたいのか？」


悠紀「そんなこと…ないです…////」



ひと休みしなければ、日が暮れる頃には帰っている予定だったのに、まさか数時間も寝てしまうなんて。


予定外のお泊まりだけど、今夜はずっと石神さんと一緒にいられる……////






石神「おやすみ」

悠紀「おやすみなさい…」



ベッドに横たわった石神さんは、よほど疲れていたのか、ふぅっと息をついて、すぐに目を閉じてしまった。


私は、隣でその寝顔をそっと見つめる。


モデル系とは少し違うし、癒し系キャラでもない。


でも、石神さんの知的で端整な顔立ちは…




石神「この秀樹では物足りないか？」


悠紀「！…いいえ、石神さんが一番です！大満足です！」


（あの本と名刺、見てたんだ…）


目を閉じたままの石神さんの口角がニッと上がる。


石神「そうか、それは良かった。」


そう言うと、石神さんは、私をグッと抱き寄せた。


石神「俺も……」

悠紀「………////」

石神「……………………………」

悠紀「……………？」




続きは聞けなかった。


悠紀「お疲れ様。おやすみなさい…」





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