悠紀「今年の石神さんの誕生日祝いはどうしようかな？」

石神さんは、しばらく出張中。

当日9日の夜に何とか帰れそうって聞いていたから…

前日までに美容院で髪を整えて、少しでもキレイにして会いたい。




8日の午後。


悠紀「えっ？予約してない？」

店「はい、承っておりませんが…」

予約サイトを使って、いつもの美容院で予約したつもりだったけど、スマホを見ると予約完了メールが見当たらない。

という事は…エラー？


悠紀「じゃあ、今日は無理ですよね…」

店「少々お待ち下さい…あ、ちょうど1名キャンセルが出てますね。1時間後なら大丈夫ですよ。担当者は替わってしまいますが、よろしいですか？」

悠紀「はい！お願いします！」

（良かった…）




そして1時間後。

美容師「今日担当させて頂きます、ナカガミです。よろしくお願いします。」


悠紀「お願いします！」

ﾅｶｶﾞﾐ「今日はカットとパーマですね。」



いつもは20代後半ぐらいの女性美容師さんだけど、今日は30代後半ぐらいの男性だ。


ﾅｶｶﾞﾐ「前髪は…」


このナカガミさん、スラリとした体型や髪型が昴さんに似ている。

凄くお洒落なオトナの男性。


悠紀（男の人に髪を触られるのって、ちょっとドキドキする…）

だから、いつも女性にお願いしてたんだけど。





ﾅｶｶﾞﾐ「ありがとうございました。良かったら、また担当させて下さい。あ、あの子のお客さん取っちゃ駄目かな？ハハハ！」


帰り際、ナカガミさんから名刺を貰った。



ｽﾀｲﾘｽﾄ

中神　秀樹
Hideki Nakagami





秀樹さんだ！

悠紀「あ、ありがとうございました！」

思わぬところで目にする、愛しい名前。

私は顔がニヤけそうになるのを堪えつつ、美容院を出た。