ガリレオ

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主人公

9月9日の昼。

二人でランチを済ませた後、俺たちはマンションに帰ってきた。


石神「しゃぶしゃぶの食べ放題も、いいですね。」

悠紀「ちょっと食べ過ぎちゃいました…」

石神「フフッ、いい食べっぷりでしたね。」

悠紀「………////」


石神「また行きましょう。」





悠紀「わっ、暑い!」

部屋に入ると、閉めきった室内は、まだまだ暑い。

俺はリビングで早速エアコンをつけた。


悠紀「あの…」

すると、悠紀が大事そうに持っていた箱を差し出す。

悠紀「石神さん、お誕生日おめでとうございます!気に入ってもらえるかどうか、わからないけど…」

この瞬間のために、今日は今までそわそわしていたようだ。

石神「ありがとうございます。」


彼女らしい、ふわりとしたリボンで飾られた箱を開けると。

直径約4㎝ 高さ約30㎝ほどのガラス製の筒状の物が現れた。


石神「これは、ガリレオ温度計ですね。」

悠紀「はい。科学的な見た目が石神さんにぴったりな感じがして。
それに…
お部屋がモノトーンだから、ちょっとアクセントになる物が有ってもいいかなって…」



ガリレオ温度計は、ガラス製の容器に透明な液体と、複数の浮き玉が入っている。

浮き玉には、それぞれ違う色で密度の違う液体が入っており…
紫………28℃
青緑……26℃
黄………24℃
青………22℃
赤………20℃
緑………18℃
ピンク…16℃

と いうように、温度が書かれた金色のプレートが ぶら下がっている。

液体の比重(密度)が温度によって変化するという原理を利用しているため、浮かんでいる浮き玉の中で一番下にある物が、今の室温の目安となる。

しかし今は…


悠紀「全部沈んでますね…」

石神「ええ。一番高い浮き玉、[28℃]も沈んでいるということは、少なくとも今の室温は28℃以上です。」

悠紀「やっぱり……」

石神「室温が下がれば、そのうち浮いてきますよ。別名『のろま温度計』とも呼ばれる位だから、いつの間にか、ですが。」

悠紀「そうなんですね…でも、浮き上がる瞬間が見たいなぁ…
あっ、しばらく観察してもいいですか?」

石神「根気がいると思いますが…まぁ、いいでしょう。」

今日は二人の時間を確保するため、あえて書類などの仕事は持ち帰っていない。

ひたすら静かで ゆったりとした時間を過ごすのも悪くないだろう。

…そうだ。

俺は寝室から、温度計付きのデジタル時計を持ってきた。


石神「参考までに、これを置きましょう。」

それを、テーブルの上のガリレオ温度計と並べて置く。

悠紀「理科の観察みたいですね。」

そして、俺たちも並んでソファーに座り、テーブルのガリレオ温度計を眺めた。
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