シシリエンヌ

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主人公

東京のアパートに戻ってからは、私は毎日のように あのCDを聴いていた。

どれも優しく癒される曲で、大満足だったから。

ただ、一番好きで よく聴くのは、やはりシシリエンヌだった。



今日は、1曲リピートでシシリエンヌだけをずっと聴いている。

だって……


“ピンポーン♪”

悠紀「はーい!」


やっと、石神さんに会える!


石神「……あぁ、シシリエンヌですね。」

悠紀「はい。すごく気に入って買っちゃいました!」

石神「ん?これは………?」

石神さんは、ミニコンポの上に置いてあったCDのケースを手に取った。


『とっておきのクラシック・胎教にぴったり♪』


悠紀「あっ、あの、それは~////」

石神「………………まさか?」

悠紀「ち、違います…////」

石神「そうですか…………」


悠紀(しまった!恥ずかしい………)


石神「まぁ、いずれ必要になるでしょうから………」


悠紀「えっ!?」

石神「………………………………………」


悠紀(あれ?石神さん、ちょっと赤い………?)




悠紀「えっと、お茶淹れますね。…あっ、コーヒーの方がいいですか?」


石神「コホン!……では、コーヒーを。」


私は ぎこちなくキッチンに向かった。


悠紀(あれ?石神さんって、コーヒーにミルク入れるんだったっけ?)

いつもの事なのに、動揺し過ぎて思い出せない。

悠紀(一応、砂糖とミルク、別に添えて出そう……)



私が 少しカタカタ音を立ててテーブルにコーヒーを置くと、石神さんは もう すっかり落ち着き払っていた。


石神「悠紀、こちらへ。……会いたかった……」


石神さんは、隣に座った私を抱き寄せた。

悠紀「私もです……////」

すると、石神さんは耳元で囁く。

石神「指輪、泉に落とすなよ?」


私が、石神さんから贈られた指輪を着けているのに気付いていたのだ。

悠紀「落としませんよ。だって……」

石神「こんなふうに……」


いきなり、石神さんが私の左手を掴み、指輪を外そうとした。


悠紀「だ、だめですって!きゃっ!」


ドサッ!


抵抗するうちに、私は床に倒れてしまった。
石神さんは 私の左手を掴んだまま、私に覆い被さる格好になる。


悠紀「もぅ、いじわる………」

石神「フッ………」


でも、クールな石神さんの、こんなところを見られるのは、私だけだ。


石神「どうした?そんなに俺の顔を眺めて」

悠紀「いえ、その……あ、そろそろ他の曲に……」

石神「このままでいい」

悠紀「あ………////」

私は起き上がろうとして、石神さんに右腕も床に押さえつけられてしまった。


悠紀(動けない…………)



石神「悠紀……………」



石神さんの顔が近付いてくる。


私は、ドキドキしながら、そっと目を閉じた。



石神さんの吐息と、繰り返されるフルートの、甘い音色を聴きながら………






━━End……less━━
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